外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:高齢者

l  201810月1日時点の日本の人口は、前年比▲26万人の12644万人で8年連続の減少となりました。減少数・減少率ともに1950年以来、過去最大です。そんな中で、70歳以上が総人口比で初めて2割を超えました。5人のうち1人が70歳以上であり、4人で1人の高齢者を支えています。遠くない将来、70歳以上が4人に1人になり、3人に1人に向かっていくのは必定であり、そうなったときに23人で1人の高齢者を支えられるのか、という誰も否定できない厳然たる難問がそこに控えています。

l  外国人の受入増大に反対する方々は、「1人当たりの生産性が向上すれば問題ない」と言い張るのでしょうが、本気で+33%(1/41/3)とか+100%(1/41/2)の生産性向上が可能だと思っているのでしょうか。おそらく、そこまでは馬鹿じゃないと思います。だとすれば、つまるところ、「高齢者を支えない」という解決策しかありません。要するに「姥捨て山」です。

l  「生産性向上で何とかなる」と言い張る攘夷派の論客は、高齢者を切り捨てる「姥捨て山」政策についても言及すべき。そうでないとアンフェアです。

【Timely Report】Vol.420(2019.6.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の近未来は介護業界に聞け!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  最近、「人手不足は労働条件が酷い会社の泣き言だ」とか、「人手不足を解消したいなら賃金を上げればいい」という現実を無視した短絡的な議論が幅を利かせています。そういう論者たちは、佐賀県に行き、昭和自動車の社長に対して、自説を唱えていただきたいと思います。

l  昭和自動車は、佐賀県内で運行するバス26路線の再編を検討しています。バス運転手の3割以上が60歳を超えており、若手の免許保有者の補充も見込めません。50万円の入社祝い金や免許の取得支援などを講じて、年に4050人を雇っていますが、人数の出入りはトントン。今後の高齢者の引退には耐えられないと見て、現状の路線維持は難しいという経営判断です。

l  自治体が赤字分を補助金で補填する路線であっても、「今回の件は、人手の問題で、経営統合などではなかなか解消しにくい」と社長は語っています。佐賀県知事は、「賃金を上げれば解決する」と主張する識者たちに声掛けして、昭和自動車の代わりに路線バスを運営してもらうべきです。彼らの説によれば、賃上げすれば生産性が向上して問題は雲散霧消するはずですから。

【Timely Report】Vol.414(2019.5.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2025年問題」と呼ばれる難問があります。2025年は人口の多い「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になる年。後期高齢者が増えれば、それに比例して要介護者も増えます。各地方公共団体も人材確保に動き始めました。

l  介護事業者の人手不足は本当に深刻。特別養護老人ホームは、割安なので入所希望者が多いのですが、所定の職員数が確保できないため、受け入れられないというケースが頻発しています。全産業の平均月給が304,300円なのに、訪問介護員の平均月給は198,486円であり、経済評論家は「人が集まらないのであれば、賃金を上げるべき」と断言し、経営者を厳しく批判します。

l  しかし、日本における介護ビジネスは、「介護保険」という枠組の中で成り立つ半官営事業。国が商品の中身と価格を決めている以上、民間企業としての知恵の絞りどころはコストカットのみ。賃金を上げさせたいのなら、介護保険料を引き上げ、保険料の支払年齢を40歳から30歳に引き下げた上で、国が支払う介護価格を引き上げるしかありません。そういう点に触れないで、すべて民間企業の責任に擦り付けるというのは卑怯な論法です。

【Timely Report】Vol.372(2019.3.21)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「アベノミクスには期待できない!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  空前絶後の「人手不足」の状況下、安倍政権は、高齢者と女性の社会進出を促すことで、「働き盛り世代」の人口減少のマイナスを相殺しようとしています。事実として、高齢者に関しては、定年や再雇用で収入が減る「60歳の崖」を緩やかにする動きが広がってきました。安倍首相が施政方針演説で「女性が輝く日本」を創ると明言したのは20132月ですが、女性就業者が2859万人に上るなど、働く女性は5年間で200万人増えました。子育て期に就業率が下がる「M字カーブ」現象も解消されつつあります。

l  ただし、企業の女性管理職比率は12.1%、役員比率は3.7%であり、女性の活躍は限定的。じつは、日本の大卒女性就業率は74%OECD加盟35カ国中29位。英エコノミスト誌が発表した「女性の昇格に関するランキング」でも日本は主要29カ国中28位であり、韓国と最下位を争っています。日本は、「定年」という他国にない「年齢差別」を制度化しているだけでなく、女性管理職が極めて少ないなど「性差別」も明らか。そういう国に外国人社員に対して「国籍差別」するなと説くほうが「非常識」なのかもしれません。
依存, 認知症, 女性, 古い, 年齢, アルツハイマー病, 退職後の家
【Timely Report】Vol.131(2018.3.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
老人大国に未来はある?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  5月の就業者数(6698万人)が、過去最高を更新しました。これまで最高だった19976月(6679万人)を21年ぶりに上回ったのです。この背景には、高齢者の就労があります。65歳以上で働いている人数は、1987年に300万人、1992年には400万人だったのですが、2006年に500万人を突破し、2017年は807万人に達しました。この5年間で211万人も増加し、就業者全体の12%を占めています(19754.6%)。

l  調子のよいマスコミは、「アラ古希正社員100万人時代へ 団塊が戦力」「高齢者が人手不足救う」「45歳以上は金の卵」などと持ち上げていますが、高齢者の就労拡大は、「同一労働同一賃金」ではない日本の労働市場の特殊性を浮かび上がらせます。「年功序列型賃金」や「昇格・昇給の不可逆性」という問題点を表面化させるだけでなく、「45歳以上の人に新しいスキルをマスターしてもらうことは不可能」とか「定年前と仕事内容も労働時間も同じなのに、月給が100万円から10万円になった」などの実態をクローズアップします。日本企業のマネジメントは、大変革を迫られることになります。
手, ステッキ, アーム, 高齢者, 老人, 杖, 引退, 退職, リラックス
【Timely Report】Vol.234(2018.8.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
老人大国に未来はある?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ