8月27日、シンガポール政府は、外国人のビザ取得要件を厳格化すると発表しました。専門職向けのビザ取得に必要な月給額を3,900シンガポールドル(約30万円)以上から4,500シンガポールドル(約35万円)以上に引き上げます。厳格な管理の下で、移民を積極的に受け入れてきたシンガポールが自国民優先主義に転換するのか否かが注目されています。

l  この背景には、新型コロナウイルスの影響で最悪の経済状態に陥る中、シンガポール人の雇用に対する不安が高まっていることが挙げられます。7月の総選挙では雇用政策が主要な争点となり、外国人の受け入れ厳格化を主張した野党が得票率と議席を伸ばしたため、政権側が自国民の雇用を一段と優先する方針を打ち出さざるをえなくなったのです。金融業に関しては、12月から最低給与額をさらに5,000シンガポールドル以上に引き上げ、中技能の労働者向けビザについても、10月から最低給与額を引き上げる予定です。

l  この流れは、シンガポールだけにとどまらず、世界各国で散見されるようになると思われます。日本でも、早晩、同様の世論が沸き起こることでしょう。

【Timely Report】Vol.716(2020.8.31)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report



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