外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:計画外作業指示

l  11月6日、留学生を不法に長時間働かせたとして、旭川日本語学校の経営者ら5人が入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。学校側は留学生にアルバイトを紹介し、産業廃棄物処理場等で、労働時間の上限として法律が定める1週間28時間を超えて働かせたとみられています。その事件の関係で、11月27日、別の留学生も違法に働かせていたとして、経営者ら3人が同じ容疑で再逮捕されました。容疑を否認したためと思われます。

l  報道が正しいのなら、徹底的に捜査すべきですし、再逮捕された容疑者に同情する必要はありません。しかし納得できないのは、「認められている活動」を法定時間を超過させて行わせた場合は、警察に逮捕されて徹底的にやられるわけです。ところが、技能実習において、「認められていない活動」を行わせた場合は、「計画外作業指示」として逮捕もされないし、ここまでボコボコにされることもない。「認められていない活動」のほうが悪質なのに、三菱自でも日立でも逮捕者は出ていませんし、フレンドニッポンに至ってはお咎めなし。これは、余りにも正義に反しています。

【Timely Report】Vol.596(2020.2.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:世界各国が人口減で悩んでいる?」も参考になります。

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l  9月6日、入管庁は、配電盤等を作る「電気機器組み立て」の技能習得のため働いている実習生に、新幹線の窓枠を作る作業等をさせたとして、日立に対し改善命令を出しました。「資格外活動違反」ではなく、「計画外作業指示」という解釈にして減刑した感じです。そもそも技能実習制度は、「技能実習は国際貢献だ」(技能実習法第1条)という真っ赤な嘘を土台にして、「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」(技能実習法第9条第1号)という大嘘までついて、しかも、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」(技能実習法施行規則第10条第2項第1号イ)という空想までトッピングした筋悪制度。

l  日立は、今回、その「真っ赤な嘘」と「大嘘」と「空想」で創り上げた大きな枠組すら大きく逸脱してしまいました。その日立に対してすら、改善命令程度なのなら、留学生アルバイトを週28時間超働かせてしまったラーメン一蘭に対しても、「資格外活動違反」ではなく「時間外作業指示」と解釈して減刑し、警察から「厳重注意」すればよかっただけなのでは・・・。

【Timely Report】Vol.541(2019.11.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。


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