外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:給料

l  日本企業の給与が、欧米どころか、アジアより見劣りするようになりました。日本企業の場合、大卒の初任給は20万円台でボーナスを合わせて年収300万円前後が相場ですが、シンガポール企業であれば、初任給で年収600万円がオファーされることもあります。中国企業ファーウェイが、日本の新卒エンジニアに初任給40万円を提示したことも話題になりました。

l  日本の給与水準は、OECD 35カ国中18位。上位のルクセンブルクやスイスはもとより、米国、ドイツ、フランスに劣後。米国・ドイツ・中国(上海)・日本の4カ国で比較すると、上位の課長クラスでは最下位。部長クラスだと大きく引き離され、米国企業とは1000万円以上の差。2016年時点では、日本企業が上海企業を400万円ほど上回っていましたが、2018年に逆転されました。そもそもこの20年間で賃金が低迷し続けているのは日本だけです。

l  最低賃金のことばかり議論されていますが、若者に夢を与える初任給を提示できない最大の要因は、後払いを前提とした年功型賃金。これが、コスパの悪いオジサンたちを大量生産し、初任給の大幅な引き上げを拒んでいます。

【Timely Report】Vol.439(2019.7.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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l  外国人正社員に、職場に対する不満を尋ねたアンケート結果を見ると、1位「昇進、昇格が遅い」(28.6%)、2位「給料が上がらない」(28.2%)、3位「給料が安い」(25.6%)となっています。「昇進、昇格が遅い」という不満があると「企業」が認識している割合は3.5%である一方、「外国人」は20.2%。「給料が上がらない」と感じている割合は、「企業」が4.1%、「外国人」は21.8%と、企業と外国人とで5倍以上のギャップがあったようです。

l  実際、外国人の正社員をうまくマネジメントできていないと考えている日本人上司の割合は19.8%(外国人アルバイトの場合は29.5%)だといいますから、外国人を使う現場ではかなりの問題が山積しているのかもしれません。

l  年功序列の下でゆっくりと一律に昇格させていく日本型人事には、「誰でもマネジメントができる」という暗黙の前提が置かれています。しかし、マネジメントは技術。マネジメントができない人が管理職に就くのは、絵が描けない人がデザイナーになるようなもの。「年をとれば誰でも管理職になれる」という日本型人事は、早晩、個々の遺物になるのかもしれません。

【Timely Report】Vol.657(2020.5.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  テレビを点けると、「日本はスゴイ」「日本はカッコイイ」「日本が好き」という番組のオンパレード。「勘違いが少なくない」「いつまでも過去の栄光にしがみついている」「ノスタルジーが過ぎる」という代物が少なくないのですが、きっと多くの視聴者は癒されたいと思っているのでしょう。その一方、経済政策はと言えば、「労働時間を少なくすれば、労働生産性が上がる」とか「人口が減れば生産性が向上する」「人手不足になればイノベーションが起こる」など、これまた筋違いのオンパレード。他人を雇って給料を支払ったことがなく、経営の現場を知らない素人たちが勝手なことを言っています。

l  「日本はスゴイ」という勘違いと「時間短縮・人口減少は善」という筋違いが結びつくと、日本経済は確実に衰退します。19601970年代に「英国病」と揶揄された大英帝国とそこはかとなく似ているかも・・・。日本も同じ道を辿っているのかもしれません。しかし、そういう向かい風の経済環境であっても、経営者は会社を守り、雇用主は人材を戦力化して組織を運営していかねばなりません。大変な時代になったものです。
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【Timely Report】Vol.232(2018.8.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

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l  日本企業は、採用において、特殊技能ではなく、学力・自己管理能力・協調性を重視し、新卒者を好みます。これは、「会社が新卒社員を研修して一人前に育てていく」という方針に基づくものですが、「自分で何とかする」という中国人のキャリア形成の考え方とは真逆です。その一方、日本企業は、「苦労して育成した人材が辞めたらどうしよう」と常に懸念しています。一人前に育てる方針は「会社に命を捧げる覚悟」とまでは言いませんが、一定の「忠誠心」を前提にしています。ところが、「中国では会社に命を捧げるという考えはなく、少しでも給料が良ければすぐに転職する」のが現実。

l  日本企業では、忠誠心のない社員は昇格させずに、最下層の仕事をさせるので給料はなかなか上がりません。そして中国人は給料が上がらないと、すぐに転職してしまうのですが、日本企業はそれを見て、「研修しなくて正解だった」と胸を撫で下ろします。中国人から見ると、日本企業は出世が難しく給料が上がらない。でも、日本企業から見ると、中国人は一人前になる前にすぐに辞めてしまう存在なのです。本当に悩ましい問題です。
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【Timely Report】Vol.89(2018.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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