外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:経済学者

l  少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。

l  無論、有効に活用できれば、ITAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。しかし、そのためには、導入する技術の成熟度や限界を知悉し、技術に対する社員や顧客の受容度を熟知し、経営戦略の中でどこにいつ投入するのが最も効果的なのかを見極め、コスト・プロフィットが十二分に見合うことを確認した上で、果断に実行しなければなりません。そうでなければ、コスト倒れに終わるだけです。

l  生き残る経営者は、技術の長所を知りつつも、手法やコストや時期が十分に熟すまでは、人員の増減や業務の調整で耐え凌ごうとします。「人手不足だからIT投資しよう」などという軽々しい判断で成功した企業はありません。

【Timely Report】Vol.467(2019.8.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  経済学者に対して、人口減少が日本経済に与える影響を尋ねると、「人口減少と高齢化は経済の停滞を運命づけるものではない。むしろ場合によっては、人口減少や高齢化が経済を活性化する可能性すらある」とか、「成長は1人当たりGDPの拡大による。その1人当たりGDPは、イノベーションで伸びる。供給側の事情を見ても、行き詰まっている社会の方が、イノベーションの動機は大きくなる」「労働力不足になると、飲食店が自動食器洗い機を買うようになる。そうした流れが加速すれば、最新の皿洗い技術が広く使われるようになる。そうした投資が行われれば日本経済の生産性は大幅に向上する」などと答えてくれます。要するに、人手不足になると省力化投資が増えて労働生産性が上がるから日本経済は成長するというのです。

l  この理論が正しいのであれば、限界集落や過疎の村、人口が長期減少している田舎では、省力化投資が進んで労働生産性が向上しているはずですが、そんな話は聞いたことがありません。こういう無責任な言説を垂れ流す経済学者たちは過疎の村に全員移住させて、村の経済の復活を託したいものです。
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【Timely Report】Vol.104(2018.2.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  経済学者の一部には、「人口が減っても問題はない。なぜなら、人手不足を補うためにIT投資が活発になり、労働者一人当たりの生産性が上がるからだ」という珍説を唱える方がいます。それが正しいのなら、過疎の村は生産性が向上するはずですが、そんな事例は聞きません。人手不足感は年々高まるばかりなのに、2017年の機械受注は5年ぶりの前年比割れになりました。人手不足が顕著な非製造業の弱さが目立つといいます。ローソンのように、人手不足に伴う設備投資が増加し、減益になった例もあります。

l  IT投資増=生産性上昇」という恒等式を信じるのは、現場を知らない学者だけ。経営者であれば、「IT投資増=生産性上昇」にならなかった事例を嫌というほど経験しています。2013年頃までは「情報化時代に乗り遅れるな」とIT投資が盛り上がりましたが、成果に結びつかず、空振りに終わりました。「情報化投資の効果が生産性の向上に結びつかず、投資しても無駄というトラウマを生んだ」という見方もあるようですが、「IT投資増=生産性向上」という小学生レベルの短絡的な思考こそ批判されるべきでしょう。
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【Timely Report】Vol.129(2018.3.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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賃上げで景気は良くなる?」も参考になります。

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l  経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。

l  しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないという事実を簡単に確認できます。リーマンショック後の回復期で見ても、年率換算するとたかだか年+0.4%程度の向上。2000年からの17年間で見ると、生産性向上はほぼゼロです。

l  労働生産性が大幅に向上すれば、賃金も上がるでしょうが、生産性が上がらない社員から「給料を上げろ」と言われて、素直に昇給させる社長はいません。生産性が上がらなければ、売上高や生産を増やすためには増員が必要なので人手不足につながります。怠けている「社内失業者」が3割いるという見方もありますが、まずは、労働生産性を上げないとお話にならないのです。
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【Timely Report】Vol.292(2018.11.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
過疎の村は生産性が上がる?」も参考になります。

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l  福岡市が留学生を受け入れる経済効果は年間230億円だそうです。屋台の効果は53億円で、福岡マラソンは25億円と言いますから、福岡マラソン10回分のプラス効果。外国人問題を語る際には「労働力」の観点が強調されがちですが、「消費者」や「納税者」の側面を無視することはできません。

l  西欧15カ国の30年間の統計を分析した結果でも、「移民」は移住から5年以内に受け入れ国の経済にプラスに働くという結論が得られています。当初は、「移民」支援で公共支出が増加しますが、「移民」の納める税が増加するのでバランスする方向に向かいます。長期的には、1人当たりGDPの改善や失業率低下などの好ましい変化につながるというのです。

l  逆の結果を示す研究がないとは言いませんが、米国では、1500名の経済学者が大統領宛ての書簡で「移民は米経済に大きな恩恵をもたらす」と主張しており、国民の58%が「多様な人種、民族、国籍の人々がいるほうがより住みよい国になる」と答えています。外国人については、「労働力」という観点だけでなく、「消費者」や「納税者」としても捉えるべきと思います。
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【Timely Report】Vol.225(2018.8.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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