外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:経済学

l  「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。経済上の得失を語るべきエコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国のGDPを増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。

l  ただ欧米では、「移民が米国人労働者と競うことで給与は下がらない」「移民が低学歴の先住労働者の賃金を下げることはない」「移民が増えたら、同性・同学歴グループの米国人の失業率が下がり、就労率が上昇した」「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下をもたらす」という実証研究が蓄積されています。また、「移民が犯罪を行う確率は米国出生者よりも低い」「移民が集中している地域は移民が少ない同等の地域に比べて犯罪率が低い」ことも知られています。日本でも実証研究が必要です。
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【Timely Report】Vol.225(2018.8.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  日本における「移民政策」は、人種差別を内包する感情論か、人権至上主義の理念論か、目先の人手不足に引きずられる算盤論のいずれかになりがちで、かつ、三者とも他の二者を説得できず、グチャグチャの戦いになっています。

l  この点、米国では、経済学を使ったデータ分析を梃子にして、合意形成しようという試みが続けられています。例えば、移民が自国民の仕事を奪うかどうかは実証可能。1980年に米国のマイアミ市に移り住んだキューバ移民の影響を実証分析したところ、12万人を超える移民によって、市の労働力人口が約7%も増えたものの、賃金は著しく下がったとはいえず、失業率にも影響は出ませんでした。ほかにも、多くの経済学者が「移民による労働市場への悪影響はほとんどない」という実証分析を公表しています。

l  無論、学界では、「前提条件に問題がある」などという反論もありますが、感情論ではなく、実証分析の正確性を高める方向での指摘であり、日本でも、同様の試みが必要だと思われます。もっとも、米国の政界は日本と同様で、感情論と理念論と算盤論がグチャグチャなままなのですが・・・。

【Timely Report】Vol.646(2020.5.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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