l  2月下旬に、安倍首相が外国人労働者の受入拡大をぶち上げたことを契機に、「移民に関する議論」が俄かに論壇を彩るようになってきました。渋々であれ、積極的であれ、現実的には「移民受入」は致し方ないという世論が優勢という感じもしますが、「いわゆる移民は受け入れない」という建前を崩さないままだと、ズルズルと外国人が増えることになります。そうなると、本来必要な日本語教育や社会規範の修得を国として講じることができません。

l  この「ズルズル移民」は、日本の専売特許ではありません。ヨーロッパ各国も、「我々は移民国家ではない」という建前の下で「一時的な出稼ぎ労働者」を大量に受け入れてきました。その結果、無秩序にズルズルと定住者が増え、社会の分断や階層化をもたらし、それが澱のように積み重なって、移民地域のゲットー化を引き起こし、ホーム・グロウン・テロリストを産み出す土壌を育んだのです。ヨーロッパを引き合いに出して移民反対を唱える人もいますが、そうであれば、「外国人の完全排斥」を唱えるべき。今のような「ズルズル移民」だと、ヨーロッパと同じ運命を辿ることになります。
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【Timely Report】Vol.128(2018.3.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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