外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:福祉

l  2020年10月末時点の外国人労働者は、172万4328人と前年比+4.0%の増加となり、過去最多を更新しました。前年の+13.6%から大きく鈍化したものの、前年より6万5524人増えており、若年層における人手不足の深刻さを窺わせました。外国人を雇う事業所も26万7243カ所で過去最多を更新しました。従業員30人未満の事業所が全体の60.4%を占めています。

l  産業別では、医療・福祉や建設が2桁増となる一方、宿泊・飲食サービスは▲1.8%と減少に転じ、全体の3割を占める製造業も▲0.3%減で8年ぶりに前年を下回りました。その中でも全体の就労者数が増加したという現実が、外国人なしに成り立たない経済構造になっていることを物語っています。

l  厳しい景気後退の局面においても、こうした経済構造が維持されてきたとすれば、足元の外国人就職は困難化しているものの、緊急事態宣言が解除されれば、以前の外国人依存が復活する可能性大と読むべきでしょう。ただし、その場合、雇用調整助成金の特例廃止とともに、中高齢日本人の失業が顕現化するでしょうから、世論の逆風を覚悟する必要があります。

【Timely Report】Vol..7782021.2.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  7月17日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定。コロナ問題に翻弄される中で話題にもなりませんでしたが、「留学生の採用」という観点から見ると分水嶺となった感じがします。

l  「骨太の方針2020」における留学生採用の記述は、「ハンドブックも活用して採用プロセス及び採用後の待遇の多様化や積極的な情報発信を促し、留学生の起業を促進する在留資格を2020 年度中に措置すること等により、希望する留学生の大多数が国内で就職し、活躍できる状況の実現を目指す」という部分だけ。その一方、「骨太の方針2019」では、「重要課題への取組」という節の中で、「外国人材の受入れとその環境整備」を取り上げ、「留学生の国内就職促進」という一節だけでも、今年の倍以上の分量を割いていました。

l  真剣に将来を憂えば、外国人若年層の受入れは不可避なので、「骨太の方針2016」では「外国人留学生の日本における就職率の5割への引上げ」を明記するほど前のめりでした。しかし、留学生30万人計画を達成し、東京福祉大問題でずっこける中で、コロナでダメ押しを食らい、熱が冷めた感じです。



【Timely Report】Vol.714(2020.8.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

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