外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:生産性向上

l  「外国人労働者を入れると、低賃金労働者を前提とするビジネスモデルが変革しないから反対」という声が一部から出ています。中には、「経営者が極限まで追いつめられれば、生産性向上の道が開ける」という勇ましい声も。

l  しかし、ビジネスモデルを大きく変革するためには、①対象とする市場が今後大きく成長するので投資に見合うという強い期待があること、②新しいビジネスモデルに見合った一段上の生産性のレベルに労働者が成長する見込みがあること、③その投資を行う場所としてその地が最適であること、という条件が必要です。この3条件が揃わなければ、経営者がビジネスモデルを変更することはありません。縮小するか撤退するだけです。

l  琵琶湖に浮かぶ沖島では、30年前520人だった人口が現在は250人と半減しました。人手不足が技術革新や生産性向上を産み出すのなら、沖島は「日本のシリコンバレー」になっているはず。しかし現状は、ゴミ処理にすら往生しています。人口減少が進む日本は、世界から見れば、沖島のようなもの。こういう論者たちは、沖島に行って是非起業してもらいたいと思います。
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【Timely Report】Vol.78(2018.1.12)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
過疎の村は生産性が上がる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。

l  無論、有効に活用できれば、ITもAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。しかし、そのためには、導入する技術の成熟度や限界を知悉し、技術に対する社員や顧客の受容度を熟知し、経営戦略の中でどこにいつ投入するのが最も効果的なのかを見極め、コスト・プロフィットが十二分に見合うことを確認した上で、果断に実行しなければなりません。そうでなければ、コスト倒れに終わるだけです。

l  生き残る経営者は、技術の長所を知りつつも、手法やコストや時期が十分に熟すまでは、人員の増減や業務の調整で耐え凌ごうとします。「人手不足だからIT投資しよう」などという軽々しい判断で成功した企業はありません。

【Timely Report】Vol.467(2019.8.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
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l  201810月1日時点の日本の人口は、前年比▲26万人の12644万人で8年連続の減少となりました。減少数・減少率ともに1950年以来、過去最大です。そんな中で、70歳以上が総人口比で初めて2割を超えました。5人のうち1人が70歳以上であり、4人で1人の高齢者を支えています。遠くない将来、70歳以上が4人に1人になり、3人に1人に向かっていくのは必定であり、そうなったときに23人で1人の高齢者を支えられるのか、という誰も否定できない厳然たる難問がそこに控えています。

l  外国人の受入増大に反対する方々は、「1人当たりの生産性が向上すれば問題ない」と言い張るのでしょうが、本気で+33%(1/41/3)とか+100%(1/41/2)の生産性向上が可能だと思っているのでしょうか。おそらく、そこまでは馬鹿じゃないと思います。だとすれば、つまるところ、「高齢者を支えない」という解決策しかありません。要するに「姥捨て山」です。

l  「生産性向上で何とかなる」と言い張る攘夷派の論客は、高齢者を切り捨てる「姥捨て山」政策についても言及すべき。そうでないとアンフェアです。

【Timely Report】Vol.420(2019.6.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の近未来は介護業界に聞け!」も参考になります。

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