外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:派遣会社

l  415日、専門職の在留資格で入国させたベトナム人を工事現場に派遣し資格外の単純労働をさせたとして、入管難民法違反(不法就労助長)の罪に問われた事件の判決があり、懲役1年の実刑・罰金100万円が言い渡されました。被告は起訴内容を否認しましたが、裁判長は、斡旋した人材派遣会社役員とのメールのやりとりなどから「不法就労するという認識があったと強く推認される」として退け、「外国人の適正な管理を害する犯行で悪質性は軽視できない」と指摘しました。問われたのは、人材派遣会社役員と建設会社元役員と共謀して昨年2~8月、在留資格「技術・人文知識・国際業務」でベトナム人3人を入国させ、資格外の土木作業員として就労させた罪です。

l  「たった3人」と言うと怒られそうですが、この判決が厳格に適用されるのであれば、「技術・人文知識・国際業務」の外国人を工場等に10人以上派遣している大手業者は、実刑を免れないという話になります。派遣した就業場所が土木作業の現場か工場のラインかという違いはあるにせよ、「外国人の適正な管理を害する犯行」であることに違いはないからです。

Timely ReportVol.4162019.5.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  7月14日、食品加工会社で働かせるために、ベトナム人の不法就労を斡旋したとして、入管法違反(不法就労助長)の疑いで、神戸市の人材派遣会社「七福インターナショナル神戸」の社長ら3人が逮捕されました。逮捕容疑は、2018年10月~20年6月、不法残留中の21~27歳のベトナム人男女5人を食品加工工場に派遣労働者として斡旋したという疑いです。

l  外国人派遣が「法令違反の見本市」であるという状況は相変わらずなのですが、風景は様変わり。従来、主力であった工場派遣はコロナショックの煽りで減少傾向に転じ、免税店やホテルへの派遣はほぼ壊滅状態。生き残りに賭ける派遣業者たちは新たな光明を見出しました。それは「介護派遣」です。

l  介護業界にはあまり行きたがらなかった外国人材も、就職が困難な現実に直面して、就労を承諾し始めました。工場のように一挙に大人数を捌くのは難しいものの、人手不足に苦しむ介護業者は大勢いますので、派遣先には事欠きません。工場派遣以上に在留資格の正当性は立証困難ですが、そんなことを気に留める余裕も今はありません。介護派遣が大流行しそうな気配です。

Vol.702(2020.7.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  コロナショックで職を失う外国人がいる一方で、予定した外国人が来日できずに人手不足で苦しんでいる業界があります。つい最近も、仕事がなくなった外国人を、北海道の農協が短期雇用したという報道がありました。雇われたのは、地元のリゾート施設で働いていた外国人。南米や欧州の出身だと報じられています。農協では、ベトナムから特定技能外国人を受け入れる予定でしたが、感染拡大の影響で入国できなくなったため、彼らの代わりにグリーンアスパラガスの長さや太さを揃えるという作業をさせているようです。

l  報道では「美談」として扱われていますが、気になるのは在留資格。短期雇用で単純作業を担う場合、通常だと、日系三世等の身分資格以外は困難です。もっとも現時点では、コロナショックで職を失った外国人のために、特例的に「特定活動」への変更が認められていますから、雇った農協が「特定活動」への在留資格変更を申請して、許可されたのであれば問題ありません。しかし、人材派遣会社がこのマッチングを仲介したようなので、その可能性も低そうです。入管法違反である惧れが極めて大きいと思われます。

Vol.689(2020.7.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  外国人専門の中堅派遣会社が、申請において虚偽の雇用契約書を提出していた疑いがあり、名古屋入管が調査していると報じられました。「技術・人文知識・国際業務」を得るため、「本人用」と「入管提出用」の2種類の雇用契約書を作成。申請人の署名欄に、社員らが代筆していたようです。元幹部らは「不正は数年前からで百数十件あった」と証言し、「外国人をできるだけ早く入国させて囲い込み、派遣収入を増やそうとしていた」と語りました。

l  海外から大勢の外国人を招聘して派遣する手法は、利益率が高く、売上増を図ることができる魅力的なビジネスです。国会議員の口利き疑惑で名前が出たネオキャリアの得意分野でもあります。派遣先のあらゆるリスクを派遣元が背負う「外国人派遣」は人気が高く、急速な売上増を狙う有象無象の業者が参入していますから、中には怪しげな輩も少なくありません。

l  本件に係る虚偽の真偽は追及されるべきですが、問題の根源は「外国人派遣」という違法性の高いビジネスを放置し続けていること。ここに厳しいメスを入れなければ、類似の事件が再発するのを防ぐことは決してできません。

【Timely Report】Vol.677(2020.6.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:ネオキャリアは派遣で申請したのか?」も参考になります。
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l  7月6日、就労資格のないベトナム人を新潟県の工場で働かせたとして、群馬県で派遣会社を営む経営者が入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕されました。不法残留したベトナム人男性を部品製造工場で働かせたようです。

l  外国人派遣は、ごく僅かな一部を除いて、明らかな違法か黒に近いグレーですから、ちょっとまともに調べれば、数珠つなぎで検挙できるような状況であるわけですが、偽造在留カードを絡ませて一捻りしている最近の違法派遣と比べると、あまりにもストレートな入管法違反で呆気にとられます。

l  ただし、だからこそ、外国人派遣の闇は深い。多くの関係者は、最初は違法と知りつつも、求人企業の圧倒的なニーズに寄り切られて手を染めていく。規模を拡大すれば日銭が加速して積み上がるビジネスだけに、一度美味しさを知ったら止められない。早晩、感覚が麻痺して「人がいないんだから仕方ない」と正当化。ホワイトな派遣に見せ掛ける努力すら放棄し、単なるルーティーンと化せば、ブラックとグレーの違いすらわからなくなる。それにしても、在留カードを持たない外国人を派遣するようになったら終わりです。


Vol.697(2020.7.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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