外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:東京入管

l  7月6日、日本に住む外国人を支援する拠点となる「外国人在留支援センター」が開設され、連日雇用問題などの相談を受け付けています。相談は9ヵ国語で対応されており、内容は、「新型コロナウイルスの影響で雇い止めになった」など雇用に関するものが半数ほど。オープン以来、連日100人程度の外国人が訪れており、電話相談は1日200件程度といいます。

l  ワンフロアに集約された8つの機関は、法務省入国管理局(情報提供)、東京入管(在留資格相談)、東京法務局(差別相談)、日本司法支援センター(法律相談)、東京外国人雇用サービスセンター(就労相談)、外務省(ビザ相談)、日本貿易振興機構(セミナー)。外国人の受け入れ先企業や、地方自治体からの相談にも対応していると言いますが、本当に機能するのでしょうか。

l  元々ある組織の寄せ集めに過ぎず、対応範囲も権限も何ら変わりません。これまで、各組織が本気で外国人の在留を支援しようと活動していたならば、このセンターが新設されるまでもなく、協働して外国人を支援してきたはず。過度に期待することなく、本気で諸問題を解決するのか見極めるべきです。

Vol.701(2020.7.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。

l  この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が、人権を無視しているのなら、外国人に限らず、日本人の人権も守ってくれないでしょうし、そんな人たちが運営する法治国家が想定するのは、「人権を守るための法令遵守」ではなく、「お上が思い描く秩序を維持するための規則遵守」に過ぎないからです。

l  収容所での外国人に対する人権無視は、日本人にも無関係ではありません。それは、有罪未確定の容疑者に対する人質司法と同根であり、庶民を慮る心がない官僚主義と表裏一体の関係にあります。そんな法務省が、「特定技能」では、企業に人権擁護を強制するのですから、苦笑せざるを得ません。

【Timely Report】Vol.389(2019.4.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  2019年3月末に東京入管を退職したばかりの元入国審査官が、在留資格に係る審査の実態を赤裸々に証言しています。「外国人側は10年前だろうが今だろうが、在留形態は変わってないわけですよ。だけども同じようなものでも10年後は不許可です。世の中の状況がいろいろ変わっていくのは分かるが、行政官たる職員が政治をやっちゃだめじゃないですか。政治的判断というのであれば、高度な次元での判断になるはずだけども、なんかストリート(現場)レベルでそういうようなことが行われている」「法律が限定的に解釈できるような立て付けになっていれば、そんなに悩まない。でも、これだけ不確定概念がちりばめられていると、いろんな解釈がなりたちうる。完全にフリーハンドでなんでもできちゃう自由裁量感を入管では感じました。たとえば、『相当』だとか『適当』という言葉がいっぱい出てくるが、なにをもって『相当』だとか『適当』だという入管全体としての統一的なものはなくて、個々の職員がそれぞれの裁量で、『これが適当』だとか『これが相当』だとかいうようなのを推し量っている」「『許可してやってるぞ』という言い回しですよ」など。在留資格に興味がある方であれば必読です。

【Timel
y Report】Vol.503(2019.10.4号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の近未来は介護業界に聞け!」も参考になります。

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