外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:昇格

l  安倍政権は、外国人労働者の受け入れ拡大へ大きく舵を切りました。今後、日本企業は、国内で外国人を本格的に活かすことが求められます。ところが報道されるのは、最下層で「部品」として活用する事例ばかり。経営職への抜擢や管理職への昇進は話題にのぼりません。

l  短期間での昇格や高給を求める優秀な外国人材は、年功序列賃金の下で昇給・昇格基準が曖昧なまま、長時間労働を強いられることには耐えられません。給与水準が母国よりも低ければ、日本企業で頑張る価値はゼロ。実際、高スキル人材の3分の2が「給与に不満」という調査結果もあります。日本人の若者も日本企業の人事制度に呆れ果て、出世を目指さなくなりました。

l  日本企業の「人材活用下手」は世界的な常識。「先進国中ワースト2位」と語る人材会社もいるほど。経済産業省の調査(2016)でも、日本に住むことは82.7%の留学生が高評価なのに、働く場としての日本企業を「魅力的」とする意見は22.0%にとどまりました(否定的な意見は49.9%)。人事制度を抜本改革しなければ、これからの時代に生き残っていくことはできません。
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【Timely Report】Vol.267(2018.10.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  外国人正社員に、職場に対する不満を尋ねたアンケート結果を見ると、1位「昇進、昇格が遅い」(28.6%)、2位「給料が上がらない」(28.2%)、3位「給料が安い」(25.6%)となっています。「昇進、昇格が遅い」という不満があると「企業」が認識している割合は3.5%である一方、「外国人」は20.2%。「給料が上がらない」と感じている割合は、「企業」が4.1%、「外国人」は21.8%と、企業と外国人とで5倍以上のギャップがあったようです。

l  実際、外国人の正社員をうまくマネジメントできていないと考えている日本人上司の割合は19.8%(外国人アルバイトの場合は29.5%)だといいますから、外国人を使う現場ではかなりの問題が山積しているのかもしれません。

l  年功序列の下でゆっくりと一律に昇格させていく日本型人事には、「誰でもマネジメントができる」という暗黙の前提が置かれています。しかし、マネジメントは技術。マネジメントができない人が管理職に就くのは、絵が描けない人がデザイナーになるようなもの。「年をとれば誰でも管理職になれる」という日本型人事は、早晩、個々の遺物になるのかもしれません。

【Timely Report】Vol.657(2020.5.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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