外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:日本語

l  東京福祉大の一件が最後の一押しとなって、政府は「偽装留学生」退治に舵を切りました。「偽装留学生」を叩き続けてきたジャーナリストたちは溜飲を下げるでしょうが、それで、現状は改善されるのでしょうか。

l  人手不足の中で、無定見の「留学生30万人計画」を推進した結果、企業が留学生に目を付け、留学生もアルバイトに活路を見出す中、出稼ぎ留学生が急増。企業は人手を得て、留学生は生活費と学費を得るというウィンウィンの関係でした。無論、一部には、可哀そうな留学生もいましたが、その割合を客観的に検証することなく、「偽装留学生」叩きに転じたため、これからは、留学生アルバイトに依存してきた数多くの企業が悲鳴を上げ、留学生たちも生活に困り、ほとんどの学校は厳しい淘汰の渦に巻き込まれるでしょう。

l  政府は「特定技能で来ればいい」「特定技能で雇えばいい」と言うのでしょうが、「日本語ができて、日本の文化に慣れ親しんだ留学生」を追い出して、わざわざ「日本語がわからず、日本の文化も知らない外国人」を迎え入れようとする無理筋の政策は、別の大問題をいずれ発生させるに違いありません。

【Timely Report】Vol.551(2019.12.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:特定技能のために留学を切る!」も参考になります。


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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  東京福祉大学における失踪留学生の事件が、マスコミで大きく取り上げられています。すでに文部科学省と法務省も動き始めましたから、何らかの処分が下されるのだろうと推察されます。ただ、日本のマスコミは、「叩いても良い」という判断を下すと、「真実の報道」ではなく、「エンターティンメントとしてのでっち上げ」を始めるという悪い癖があります。

l  ある週刊誌は、「いろんな国の人が集まりタコ部屋みたいな中で勉強します」というべトナム人研究生の告白(?)を紹介していますが、これはやりすぎでしょう。東京福祉大の肩を持つつもりは毛頭ありませんが、同大学の研究生にしかなれない日本語レベルの留学生で、しかも、非漢字圏のベトナム人が、「N1」でも出てこない「タコ部屋」なんて日本語を知っているはずがないからです。「タコ部屋」とは、主に戦前の北海道で、強制労働をさせる労働者を監視するために閉じ込めた拘束部屋のこと。執筆者は「留学生は、強制労働させられた労働者と同じだ」という主張を展開したかったのでしょうが、あまりにも無理筋。こういうでっち上げはやめてほしいものです。

【Timely Report】Vol.412(2019.5.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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l  8月下旬、菅義偉官房長官は、「外国人材がいなければ日本経済は回らないのが現実だ」と指摘し、「日本語を習得し、日本の良き理解者になった留学生が就職できずに失意の思いで国に帰る。そうしたことは避けるべきだ」と述べました。さらに、「卒業した留学生が日本に残って就職するのは36%にとどまっている。希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と語りました。

l  全国外国人雇用協会は、当面の活動方針として、「労働基準法が定める均等待遇を実現すべく、日本もしくは海外の大学を卒業した外国人に関して、日本人大卒が就労可能な業務に関し、『技術・人文知識・国際業務』の在留資格該当性を求めていく」ことと、「日常会話に不自由がなく日本の文化に慣れ親しんだ留学生に関して、『技術・人文知識・国際業務』への在留資格変更を広く許可すべきである。特に現場実習の実施に関しては、日本人と同等の扱いを認めるべきである」の2点を掲げています。当協会の方針に合致する極めて正しい方向性を打ち出した菅長官の辣腕に期待したいと思います。
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【Timely Report】Vol.239(2018.9.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  元勤務先の日本語学校を相手取り、損害賠償訴訟を起こした日本語教師がいます。学校が提携するベトナムの日本語学校に派遣されていたのですが、「まるで自分が、奴隷貿易の片棒を担いでいるような気持ちでした」と当時を振り返り、「どう考えても、今の状態は異常です。日本語学校を正常なものにするためには、現場を知る教師がもっと声を上げるべきだと思います」と語りながら、自らの学校が「偽装留学生」を受け入れ、違法就労を黙認していることに対する罪悪感を表明しています。

l  その日本語教師は、学校の指示に従い、日本でのアルバイト事情について、「週28時間以内のアルバイトで月15万円を稼げる」と学生に説明していました。しかし、「月15万円」を得るには、約1340円の時給が必要になります。しかし、来日したばかりで日本語が不自由な留学生が、時給1340円のアルバイトを得られることなどありません。要するに嘘なのです。中には、現地の学生に留学書類のでっち上げを指南し、「偽装留学生」として日本へと送り込む日本語学校もいるというのですから、病状はかなり深刻です。
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【Timely Report】Vol.64(2017.12.11)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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