外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:日本人

l  スポーツは「社会の縮図」です。日本社会に「在留資格」があるように、スポーツにも「外国人枠」があります。「日本人選手を強化するために、外国人枠を撤廃せよ」と説く開国派と「外国人枠が緩和されたら、日本人の出場機会がなくなる」という攘夷派の論争は、「日本経済のために外国人労働者を受け入れよ」と説く開国派と「外国人を受け入れたら、日本人が働く職場が奪われる」という攘夷派の論争と瓜二つです。

l  そんな中、サッカー界では、前スペイン代表イニエスタ選手のヴィッセル神戸入りを切っ掛けに「外国人枠」撤廃の動きが表面化。ラグビーでも来年のW杯開催に向けて外国人枠を緩和しており、安倍政権による外国人労働者受け入れ拡大よりも早く、スポーツ界では「在留資格」が緩和されそうです。

l  しかし、開国すれば「共生」できるわけでもなさそうです。バスケットボールでは、孤立した外国人留学生が審判を殴る大事件が勃発。人種差別の問題も時折表面化します。手本と言われるドイツですら、トルコ出身の代表選手がバッシングに遭うなど難問山積。一つ一つ解決していくしかありません。
サッカー, ボール, スポーツ, 革, 火, 輝きます, 炎, ホット
【Timely Report】Vol.199(2018.7.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  さて、ここまで述べてきたのは、「労働者不足」という単純な「量」の問題の話でした。現在、日本経済が抱えている問題が、単なる「量」の問題なのであれば、今回、安倍政権が打ち出した「外国人受け入れ政策」によって、事態は改善の方向に向かっていくのかもしれません。無論、多少の摩擦は生じるでしょうが、「量」だけの問題なのであれば、法務省や入管が邪魔をしないという前提条件が守られる限りにおいて、「労働者不足」がもたらしている弊害が薄まり、問題の大部分が解決される可能性は一応あります。

l  ところが、日本経済においては、「労働力」に関する新たな問題が浮上しています。それは、「労働力劣化」という極めて悩ましい問題です。日本の労働者については、長年「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」と言われてきました。それが、「チームワーク・仲間への思いやり・会社への忠誠心」という価値観に昇華されて、日本は敗戦後「奇跡の復興」を遂げ、世界有数の経済大国になったとも教えられてきました。しかしながら、残念なことに、この大事な大前提が多くの日本企業内で瓦解しようとしています ―― 本稿では、この現象を「労働力劣化」と表現しています。

l  この「労働力劣化」の実態を俯瞰してみましょう。まず、「(日本に来ている)外国人労働者」の実態を見ることが有益です。中には、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という例外も稀に存在するものの、だいたいが近視眼的で、長期的なビジョンで考えることが苦手であり、目先の金銭で動くという特徴を持っています。つまり、金銭的なインセンティブが前向きのモチベーションになったときには、「勤勉でハードワークも厭わない」のですが、金銭的なモチベーションが下がった途端に、「怠けてサボるだけでなく、ズルをするようになる」というタイプがものすごく多くいます。

l  正社員として雇ったら否が応でも実感させられますが、面前で平然と嘘もつきますし、唖然とするようなトラブルにも巻き込まれます。このため、「チームワーク・仲間への思いやり・会社への忠誠心」というものを期待することは極めて難しく、ビザが許可された瞬間に辞めたり、お客さまからの売上をポケットに入れたり、突然居なくなったり、という「従来の日本人労働者」ではあり得ない光景が毎日のように繰り広げられます。その意味で、方向性として、今回の自民党の「外国人受け入れ政策」は正しいと思いますが、受け入れた後の問題は相当でてくることを覚悟しておく必要があります。

l  ただし、劣化しているのは、外国人労働者だけではありません。悩ましいのは、「日本人労働者の劣化」という問題です。50代以上の経営者の世代は、「巨人の星」や「あしたのジョー」に洗脳されてしまっているため、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という美質を日本人労働者は兼ね備えている ―― という「予断」を持っています。しかし、外国人社員に対してだけでなく、日本人社員に対しても「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」ことを求めることはかなり難しくなりました。

l  また、一定の社会人経験を持つ日本人の場合、かつては、渡世の仁義でいう「一宿一飯の恩義」という観念があり、辞めるときは、「どんなに経緯で別れることになったにせよ、一時期お世話になったのだから」という理由で、「筋を通す・周りに負担をかけない・会社に迷惑をかけない」という暗黙の美学がありました。いきなり来なくなって音信不通になってしまう外国人社員と比べれば、「立つ鳥跡を濁さず」という諺を知っている日本人社員は、多少なりとも「日本人的な美学」を持っているだろう、と日本人経営者は思いがちです。しかし、その思い込みは、単なる幻想になりつつあります。

l  世情よく語られているのは、いわゆる「ゆとり世代」と言われる日本人の若者たちに対して、「日本人的な美学」が通じないという話です。「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という美質ではなく、「上昇志向はなく、プライベートに熱心で、ハードワークを厭う」という悲しい現実に、少なからぬ経営者が直面し、日々悩んでいます。「立つ鳥跡を濁さず」どころか、会社の事情を顧みることなく、自分の都合だけを言い募って次々と辞めていきます。当初は、「その個人特有の問題であって、世代の問題ではない」と務めて考えるようにして対策を講じてきた日本人経営者たちも、統計値として無視できない数の実例を見せつけられ、「日本人労働者の若年層」に関しては、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という前提が当てはまらない、という現状認識に至るようになってきました。

l  さらに、悲しいことには、50代以上の世代においても、「筋を通す・周りに負担をかけない・会社に迷惑をかけない」という暗黙の美学が通じないという時代になろうとしています。「ゆとり世代」に説教する「オジサン世代」自身が劣化し始めているのです。要するに、「日本人労働者」特有と言われてきた「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という美質は、もはや「日本人」という括りで語ることはできず、日本人社員も、世代に因らず、「外国人と変わらない」という初めての状況が現出してきました。

l  日本人経営者は、日本人であるが故に、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という「かつての日本人労働者」の美質を暗黙のうちに前提としてしまっています。そして日本企業のマネジメントは、多くの場合、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という日本人労働者の美質を大前提にした上で、「人に任せる」という志向が強い組織設計で成り立っています。しかし、前提条件に関する判断を誤れば、いかに努力しようとも、素晴らしい結果は出てきません。日本人労働者に、「向上心があって、勤勉で、ハードワークを厭わない」という美質が失われたとき、日本型のマネジメントは機能しなくなります。

l  かつては、「会社が長期間社員にコミットすれば、社員も会社に尽くすはずだ」という方程式が成り立っていました。しかし、今後、時が経つにつれて、この「方程式」が無力であることを思い知らされていくことになります。今後、経営者として求められるのは、「上昇志向はなく、プライベートに熱心で、ハードワークを厭う」という特徴を持つ日本人人材と、「近視眼的で、長期的なビジョンで考えることが苦手であり、目先の金銭で動く」という特徴を持つ外国人人材をうまく組織して成果を上げることになっていきます。

l  日本人経営者は、長い間、「日本企業のマネジメント」に慣れ親しんできましたから、知らず知らずのうちに、「従業員は長期間勤める」あるいは「従業員には長期間勤めてほしい」という願望に近い前提を内心抱いています。ところが、いま多くの経営者が直面しているのは、「従業員は短期間で辞める」という、初めて遭遇する不都合な現実です。したがって、生き残りを目指す経営者としては、不都合な現実を受け入れ、その不都合な現実に即して、「従業員は短期間で辞める」という「組織設計の前提」に基づいた人事制度を導入するなど、現在のマネジメントを再設計することが必要になります。

l  「従業員は長期間勤める」という「組織設計の前提」でマネジメントを行う場合には、「長期間の勤務を支援する」という考え方になりますが、「従業員は短期間で辞める」という「組織設計の前提」に立てば、自ずと「辞めても大丈夫にする」というマネジメントスタイルを追求していくことになっていくでしょう。このため、「業務手続」や「問題対処」については、マニュアル化を推し進め、仕組化を図ることになりますし、「分業」についても、とことん徹底していくという方針になります。社外へのアウトソーシングや社内の分業体制を徹底し、「特定個人への依存」やブラックボックス化は絶対に避けるという発想が仕事の基本になっていきます。

l  「給与体系」については、日本企業における「職能給(職務遂行能力や資格によって給料が決まる)」ではなく、米国企業における「職務給(職務によって給料が決まる)」に近付いていかざるを得ません。「従業員は短期間で辞める」という前提に立つのですから、「キャリア形成」については、米国企業と同様に、「個々人が決める」という考え方が基本になります。「人材育成」については、日本企業流の「会社が育てる」という考え方は死語になり、米国企業流の「個々人が勉強する」か、「会社は勉強する機会を与えるだけ」というスタイルになっていくでしょう。後者は、「勉強する機会は与えるが、勉強しない社員に勉強しろとは言わない。その人たちは、一部の業務に専念してもらう」という考え方です。今後における「社内研修」のあり方は、現在の「長期間・最大限」ではあり得ません。米国企業流の「短期間・最少限」か、もしくは「長期間・最少限」という方針になっていくでしょう。

l  「退職希望者」について、日本企業においては、未だに「原則として慰留する」という対処が基本になっていますが、「従業員は短期間で辞める」という前提に立つのですから、「原則として慰留しない」というスタンスに変更すべきです。一部の大企業では、なかなか上司が辞めさせてくれないので、退職希望者が弁護士などに委任して、退職手続を行う「退職代行」という新しい商売も出てきているようですが、一度退職すると決めた人材が期待する成果を上げることは絶対にないので、「引き留めるだけ時間と労力の無駄である」という不都合な現実に、日本企業もそろそろ気付くべきでしょう。

l  今後、ほとんどの日本企業の経営者は、遅かれ早かれ、上記の問題を実感し、その対処に取り組まざるを得なくなります。ほとんどの日本企業は、暗黙のうちに、「従業員は長期間勤める」という「組織設計の前提」の下で組織を運営し、各種の社内制度を構築しています。これは、企業文化というか、各種の社内制度によって幾重にも凝り固められていますから、ちょっとやそっとでは、変革できない代物です。しかしながら、長らく「大企業に入社した新入社員が3年以内に3割辞める」と報じられてきたように、日本人労働者たちは「従業員は短期間で辞める」という方向に大きく舵を切っています。これは、小手先の対応で太刀打ちできるような生半可な潮流ではありません。

l  今後は、「従業員は長期間勤める」という前提の下で構築されてきた様々な仕組みが制度疲労を起こし、日本企業の運営にダメージを与えていきます。このダメージは、歴史のある大企業であればあるほど大きく、体裁を重んじる上場企業であればあるほど対応しにくいという性質のダメージです。

l  例えば、長年実質的な年功序列型賃金であった江崎グリコは、20184月から、従来の「職能給」から欧米的な「職務給」に変更したところ、極めて当然の結果なのではありますが、減俸になる管理職が続出しました。それに不満を持った社員が、週刊誌にリークし、経営陣批判を始める騒ぎになりました。「職務給」は、同じ部長でも、その部長が担う職責で軽重が異なるので、部長から部長への人事異動でも減俸になり得るわけですが、心情的に受け入れられない管理職が造反したようです。愛社精神が強く、牧歌的な社風であっただけに、反発も強いわけですが、年功序列的な給与体系を持つほとんどの日本企業は、この「グリコの受難」を実体験しなければなりません。これは、かなりしんどい試練です。

l  「働き方改革」の議論に関連して、「同一労働同一賃金」というフレーズを無邪気に語る評論家が多数いますが、彼らは、自分たちが主張していることの本当の意味を分かっていないのだと思います。日本の大企業が後生大事に守り続けている「年功序列型賃金」は、「同一労働同一賃金」から最も遠い給与体系であり、「同一労働同一賃金」を本気で推し進めれば、大企業に勤める40歳以上のオジサン社員の給与は、一部を除いて、大幅減俸が避けられません。「職能給」とは、「労働」の内容だけで決まる「職務給」とは異なり、「同一労働」であったとしても、その本人の能力だけでなく、これまでの貢献や組織内での調整力や会社の期待値を加えて給与水準を決めているので、同じ業務を行っていたとしても、年配者の方が、若年層よりも高い給料をもらうシステムです。つまり、「同一労働同一賃金」を義務付けるとすれば、日本のほとんどの企業は、数多くの年配者たちの給与を一斉に引き下げるという「大手術」を行わなければならなくなることを意味します。

l  この点、厚生労働省が示している「同一労働同一賃金ガイドライン」は、「本ガイドライン案は、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示したものである」と断っている点、賢明ではあるものの、大原則として、「本ガイドライン案は、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものである」と謳っている以上、「同一労働同一賃金」の問題は、「正規雇用労働者と非正規雇用労働者との格差」という段階を越えて、いずれ「正規雇用労働者(中高年層:いわゆるオジサン)と正規雇用労働者(若年層)との間における待遇差」の問題へと波及していきます。

l  じつは、日本企業における賃金格差の一番の問題は、「オジサン年配正社員と若手正社員との間の格差」にあります。ここが肝の中の肝です。じつは、経営者の立場からいえば、「正規雇用者と非正規雇用者との間の格差」の問題は、所詮「コストの問題」。達観していえば、いかようにも対処することが可能な問題です。しかし、「年配正社員と若手正社員との間の格差」の問題は、極めて悩ましい「マネジメント」の問題であり、個々人の感情が絡むだけに標準的な手法も効かず、一朝一夕には解決できない難問です。

l  この「オジサン年配正社員と若手正社員との格差」の問題は、売上不振や外的ショックで組織が安定的に成長できなくなり、新入社員の採用を制限したりする中で、じわりじわりと組織内部で大きくなってきました。というのは、新入社員たちは、新人が入ってこないと、いつまで経っても新入社員の仕事しかさせてもらえず、上司と部下の比率などから昇進の可能性が狭められていくからです。この日本独特の「年功序列型賃金」やこれを支える「年次競争システム」を後生大事に抱え続けてきたことが、日本人労働者の「向上心があり、勤勉で、ハードワークを厭わない」という美質を蝕んだことは無視できない事実なのです。ここは、大事な点なので、改めて後述します。

l  そもそも、「同一労働同一賃金」というコンセプトは、「Job Description」で定められた職務しか担当しないことを前提とし、隣で違う仕事をしている同僚が困っていても助けないという文化を持ち、賃金交渉をする場合も「企業別労働組合」を組織するのではなく「職業別労働組合」として他社で同職種を担う者たちで行うという「職務給」をベースとした欧米社会において成立する「常識」にすぎません。「Job Description」を定めず、違う部署でも同僚として助け合うことを美学とし、「企業の一員」として賃金交渉を行う日本的なマネジメントとはそもそも相容れない考え方だと言えるでしょう。その意味で、「同一労働同一賃金」という考え方は、じつは「劇薬」なのです。

l  ここで述べている「労働力劣化」という悩ましい問題は、社内制度の中に埋め込まれた「従業員は長期間勤める」という前提の崩壊と深く結びついているだけに、大企業や上場企業が真の原因に気が付くためには、かなり長い期間を要することになると思われます。そして、多くの日本企業は、「従業員は長期間勤める」という時代遅れの前提を崩すことなく、「どうしたら長期間働いてくれるのか」「どうしたら辞めないのか」という見当違いの対応に終始してしまうでしょう。その結果、歳月を浪費するだけでなく、組織運営がさらに困難になるという事象をもたらすと思われます。

l  日本企業は、あまりにも長い間、「従業員は長期間勤める」という「組織設計の前提」に慣れ親しんできたため、自分たちの眼前に現れた「従業員は短期間で辞める」という不都合な現実を認めたくありません。その不都合な現実を認めた瞬間に、「人事部の採用方式が悪い」「上司の管理能力が低い」などの社内批判を浴びてしまうからです。ですから、「たまたま今年は新入社員の質が低かった」「ああいう根性なしでは、わが社では務まらない」などという社員個人の資質に問題を還元して、その場を取り繕うことになるでしょう。したがって、大企業や上場企業が、この問題を直視して、正しい対処を取るまでには相当の期間を要すると思われます。

l  「終身雇用」や「年功序列」という昔ながらの社内制度を大事に守ろうとすればするほど、「従業員は短期間で辞める」という不都合な現実によってもたらされるダメージは累積的に膨らんでいきます。そのダメージを是正しようとすればするほど、正確に言えば、隠そうとすればするほど、ダメージの修復は困難になっていくでしょう。このダメージは明確に認識しづらいだけに対応することが困難です。真綿で首を絞めつけられるように、じわりじわりと、しかし確実に組織にダメージを与え続けます。「少子高齢化が日本経済を蝕む」経済事象と同じように見えますが、この問題は、少子高齢化よりも厄介です。というのは、数字で明確に認識することができないからです。

l  ちなみに、平成30年版「子ども・若者白書」(内閣府)によれば、仕事と家庭・プライベート(私生活)のどちらを優先するかについては、「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」が63.7%にのぼり、「家庭・プライベートよりも仕事を優先する」(12.7%)を圧倒しました。転職に対する意識では、「自分の能力や適性に合わない職場であっても、転職は絶対すべきではない」「転職はできる限りしない方がよい」という転職に否定的な回答は17.3%にすぎず、転職に肯定的な回答が7割を占めています。現代の日本人の若者の意識は明らかに、過去の日本人の若者とは異なっているのです。

l  「労働力不足」の問題は、安倍政権が講じる「外国人受け入れ政策」によって、多少の軋轢はあったとしても、解決の方向に向かうのかもしれません。しかし、この「労働力劣化」という問題に対して、日本企業が迅速に対処することは極めて難しいと思われます。このところ免震偽装やデータ偽装の問題が続々と表面化しているのは、この「労働力劣化」という背景に起因するところも大きく、その必然的帰結としてもたらされる日本企業の競争力劣化は、2019年央頃から次第に表面化してくるのではないかと懸念されます。
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【Timely Report】Vol.320(2019.1.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。

l  しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないという事実を簡単に確認できます。リーマンショック後の回復期で見ても、年率換算するとたかだか年+0.4%程度の向上。2000年からの17年間で見ると、生産性向上はほぼゼロです。

l  労働生産性が大幅に向上すれば、賃金も上がるでしょうが、生産性が上がらない社員から「給料を上げろ」と言われて、素直に昇給させる社長はいません。生産性が上がらなければ、売上高や生産を増やすためには増員が必要なので人手不足につながります。怠けている「社内失業者」が3割いるという見方もありますが、まずは、労働生産性を上げないとお話にならないのです。
日本, 東京, 渋谷, 建物, 群衆, 人, ショッピング, 道路
【Timely Report】Vol.292(2018.11.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
過疎の村は生産性が上がる?」も参考になります。

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l  女性の就業率は、過去最高の70%(8月)を記録し、就業者数も過去最多の2962万人に達しました。女性の失業率は、男性の2.5%を下回る2.3%。政府は、2022年度末までに子育て世代の女性(2544歳)の就業率を80.0%に高める目標を掲げていますが、この比率はすでに76.7%ですから、それほど余力はありません。つまり、女性の就労率が上がっても、人手不足問題は解消しません。しかも、女性の活用方法を見ると、非正規が主で、役員や管理職への登用は遅れています。女性取締役の比率は、日本の5.3%に対し、米国は21.7%で、ノルウェーは42.2%。日本は、男女平等の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」でも144ヶ国中114位(2017年)。

l  未曽有の人手不足の中、ほとんどの日本企業において、外国人の戦力化が求められます。しかし、同じ日本人の女性すら十分に活用できない企業が、外国人の能力を最大限に引き出せるか疑問です。例えば、グローバル企業でも外国人の社外取締役の比率は1.8%。現在、「ダイバーシティ・マネジメント」は言葉遊びにしか過ぎませんが、経営の現場で本当に必要な時代が来ます。
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【Timely Report】Vol.262(2018.10.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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