外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:文科省

l  611日、文科省と入管庁は、3年間で1610人の行方不明者を出した東京福祉大に対して、新たに入学する「学部研究生」への「留学」の在留資格付与を認めない方針を示しました。さらに、各大学に対しては、毎月、所在不明や退学、除籍になった留学生数を文科省に報告することを義務付けます。

l  同省の指導後も改善しない場合は、「在籍管理非適正大学」として法務省に通告され、改善するまでの間、新規に入る留学生への「留学」の在留資格の付与が停止されます。不法残留者が多い大学については、「慎重審査対象校」として審査を厳格化し、3年連続で対象校になった場合は、「留学」の資格付与を停止するほか、私学助成金の減額や不交付などの制裁を科す方針です。

l  当局は、「偽装留学生」狩りを本格化させる号砲を鳴らしました。東京福祉大と類似の状況にある学校は、日本全国に極めて多く存在していますから、各校で「在籍管理」が厳格化されます。本来は許されないパスポートや在留カードの学校保管も広範化することが予想されます。留学生アルバイトの総量は、間違いなく大幅に減っていきます。大津波の到来です。


【Timely Report】Vol.462(2019.8.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2019年5月1日時点で日本における外国人留学生が312,214人で過去最多を更新し、「留学生30万人計画」を達成したことが公表されました。達成した事実は、在留資格統計等により昨秋時点で明らかでしたが、本来なら昨年末に出していた数値の公表を4ヶ月近く遅らせたことからもわかるように、文科省の今後の留学生政策は何も決まっていない、というのが実態です。

l  「偽装留学生」を絞る昨年来の入管政策に直撃されて、すでに留学生が大幅減に転じている日本語学校では、今回のコロナショックで、人数が絞られた留学生すら来日しないという惨状に陥っているため、少なからぬ先が経営破綻の危機に直面しています。専門学校や大学も後に続くでしょう。

l  今春卒業の留学生たちは、就活すらままならず、内定取り消しが相次ぐ中で、アルバイトができずに食うや食わずの状態に置かれています。帰国が困難な中で在留期限は延長されましたが、卒業後のアルバイトは、従来通り御法度のまま。苦境のどん底にある留学生に対する施策が迅速に実行できないようであれば、「30万人計画」の次をどうしようがうまくはいかないでしょう。

【Timely Report】Vol.673(2020.6.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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