外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:支援

l  4月26日、法務省は、新たな在留資格「特定技能1号」を初めて認定しました。今回認定された2人のカンボジア女性は、和歌山県の技能実習生。受け入れていた大阪府の農業関連会社が申請して、認められたといいます。

l  「特定技能」の受け入れ人数は、初年度で32,800~47,550人と見込まれていましたが、この新しい在留資格を申請したのは27人だけ(4月19日時点)。初年度の見込みが正しいと仮定すれば、初月申請者の100倍の水準に相当する3,000人近い人数が6月以降毎月許可されていくという非現実的な見通しを描かなければなりません。「日系4世」ほどではないにせよ、入管が外国人の受け入れに極めて消極的であることが裏付けされた格好です。

l  法務省は、同日、初めて8つの法人や個人を支援機関として登録しました。申請受付が1,176ありますから、これから続々と認定されていくと見込まれますが、実際に「支援」が始まれば、「特定技能」の制度内に埋め込まれた諸問題が表面化していきます。そして、その実態を知るにつけ、高い関心を持っている受入企業も慎重化していくでしょう。前途多難です。

 【Timely Report】Vol.429(2019.6.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  「特定技能」は、実務家の検証を経ることなく、既存制度の継ぎ接ぎの上に、雑多な要望を混ぜこぜにしてしまった在留資格なので、様々な部分で不都合が出てきます。離職する外国人の転職支援を義務付けるというのは、その最たる事例ですが、銀行口座や携帯電話でも政策の矛盾が表面化しています。

l  「特定技能」では、すべての外国人の銀行口座を開設するように求めていますが、金融庁は、銀行に対して、マネーロンダリング対策を強化することを要請しており、安直な銀行口座の新設を戒めています。銀行からは、「アクセルとブレーキを両方踏むようなもの」という嘆き節が聞こえてきます。携帯電話に関しても、総務省が、外国人が携帯電話の契約をしやすいように手続きなどを簡単にするよう携帯各社に要請しましたが、世界標準であるプリペイド携帯を普及させようとはしません。犯罪での悪用を恐れるからです。

l  要するに、現場や実務を無視して、困難な課題を設定しておきながら、解決策については民間に丸投げ。当局側は「うまくやってくれ」と要請した形を作れば、「アリバイは完璧」というのでしょうか。

 【Timely Report】Vol.419(2019.6.4号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  「特定技能」に関して、「行政書士でも分からない」という声が出ています。法務省や担当官庁の説明会に参加しても、「詳細があやふや」「詳しい内容が分からない」などの不満が募るばかりで、ほとんどの関係者が「特定技能」を理解しきれていない状況であると言っても過言ではありません。

l  「特定技能」を理解することの難しさは、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」を一読するだけでもわかります。参照条文が多く、禁止事項が山盛りになっているだけでなく、「支援に要する費用について直接又は間接に負担させない」「十分に理解することができる」「責めに帰すべき事由」など解釈に幅のある表現が少なくないからです。

l  同省令の第3条第2項は、企業に対して、「外国人が十分に理解することができる言語」で「一号特定技能外国人支援計画」を作成することを義務付けています。その定めが正義だと言うのなら、同様に法務省に対して、「一般の経営者や雇用主が十分に理解することができる言語」で「特定技能の関連法令」を作成することを義務付けるべきではないでしょうか。

 【Timely Report】Vol.384(2019.4.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  昨年11月29日の参議院法務委員会で、山下法務大臣は、受け入れる外国人労働者に関する日本語教育や研修などの費用について、「外国人に直接、間接に不当に負担させてはならないと法務省令で規定する」と断言しました。実際、公表された省令では、「一号特定技能外国人支援に要する費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」と明記されています。

l  マスコミにおいても「利益得るのは企業、なら責任を」とか、「外国人労働者を雇う企業に行政コストを負担させるべき」などという論調が目につきます。確かに「受益者負担=利益を得た者が負担すべき」という大義名分を持ち出されると、「それもそうかな」という感じもします。

l  ただ解せないのは、「受益者負担」を叫ぶ論者の一人は大学教授なのですが、外国人留学生の大量流入で利益を得た大学等の「受益者負担」について全く触れていない点。外国人留学生を受け入れた学校は、直接、入学金や学費をもらっているのですから、真っ先に「受益者負担」を負うべき立場でしょう。大学が先頭を切って「受益者負担」を申し出れば、企業も応じるのでは?

【Timely Report】Vol.365(2019.3.12)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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