外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:技能実習

l  6月25日、米国務省は、「人身売買に関する年次報告書」において、技能実習制度の不備を指摘し、日本を1ランク格下げしました。「政府は、法外な手数料を徴収する海外の仲介業者の排除に向け、法的な義務であるはずのスクリーニングを十分に実施していない。そのため実習生は借金漬けでの来日を強いられる」などというコメントを見る限り、日本で読まれている記事をまとめて評価してみたら、「やっぱりダメだった」という感じでしょうか。

l  表層的な日本のマスコミでは、「技能実習生=被害者」という色眼鏡で書いた記事が圧倒的な大多数。「1割はババを引くが、9割は成功する。だから、実習生が増えている」と喝破しているジャーナリストも一部にいるのですが、「実習生は被害者だ」という大合唱の中で無視されています。

l  今回のコロナショックで露呈したのは、かなりの部分を技能実習生に頼っているという現実。人権派が唱える「かわいそうだ論」で現状が改善されることはなく、机上の空論で作り上げた「特定技能」では力不足。いまを好機と捉えて制度を再編すべきなのですが、その剛腕は入管には無さそうです。

Vol.695(2020.7.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  9月6日、入管庁は、配電盤等を作る「電気機器組み立て」の技能習得のため働いている実習生に、新幹線の窓枠を作る作業等をさせたとして、日立に対し改善命令を出しました。「資格外活動違反」ではなく、「計画外作業指示」という解釈にして減刑した感じです。そもそも技能実習制度は、「技能実習は国際貢献だ」(技能実習法第1条)という真っ赤な嘘を土台にして、「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」(技能実習法第9条第1号)という大嘘までついて、しかも、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」(技能実習法施行規則第10条第2項第1号イ)という空想までトッピングした筋悪制度。

l  日立は、今回、その「真っ赤な嘘」と「大嘘」と「空想」で創り上げた大きな枠組すら大きく逸脱してしまいました。その日立に対してすら、改善命令程度なのなら、留学生アルバイトを週28時間超働かせてしまったラーメン一蘭に対しても、「資格外活動違反」ではなく「時間外作業指示」と解釈して減刑し、警察から「厳重注意」すればよかっただけなのでは・・・。

【Timely Report】Vol.541(2019.11.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。


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l  6月23日、出入国在留管理庁と厚生労働省は23日、監理団体「千葉農業技術協同組合」の運営許可を取り消しました。この団体はベトナムの送り出し機関との間で、実習生が失踪したら違約金を受け取る「覚書」を締結していました。定められていた違約金は1人あたり日本円で20万~30万円であったとみられています。また、許可を得ていない第三者に事業をさせていたなどとして、千葉県と愛媛県の別の二つの監理団体も運営許可が取り消されましました。さらに、賃金を支払わなかったなどした11の受け入れ先業者については、合計194件分の実習計画を取り消しましたから、これらの団体は今後5年間、実習生の受け入れができなくなります。

l  従来と比較すれば、かなり踏み込んだ感じがありますが、本当に技能実習の病巣を大掃除するつもりなのかと言えば、疑問符が残ります。何と言っても、日立の法令違反の背後にいたフレンドニッポンに関して、未だに処罰を受けたという報道がないからです。フレンドニッポンを野放しにしたままで、小物を摘発したところで、納得する関係者は少ないのではないでしょうか。

Vol.691(2020.7.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  今年2月、資生堂は、福岡県における新工場設立を発表。ライオンは香川県で(52年ぶり)、ユニ・チャームは福岡県で(26年ぶり)、日清食品は滋賀県で(22年ぶり)、各々新工場を稼働する予定です。このように大企業の一部で製造拠点を国内に回帰させていることを以て、「Made in Japan」というブランド価値が復興しているというノスタルジックな記事が散見されるようになりました。日本の「匠の精神」が再評価されているというのです。

l  しかし内実を覗くと、「Made in Japan」であっても、「Made by Japanese」でない場合も。苛酷な環境の中で就労する技能実習生に支えられている現場も少なくありません。冷凍食品や缶詰を手掛けるマルハニチロでは、技能実習生229人が工場の製造ライン等で働いており、繊維大手の東洋紡の富山工場では作業員の1割が技能実習生。このような状況下で、不適切な検査や管理データの改竄などが報じられるのですから心許ない限り。ワコールは委託先調査を実施しましたが、資生堂の工場において、技能実習生・偽装請負・外国人派遣が活用されていないことを心から祈ります。

【Timely Report】Vol.395(2019.4.23)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
ゴーン逮捕は外国人排斥か?」も参考になります。

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l  自民党は、外国人労働者の受け入れに関する提言を近くまとめ、「特定技能」の対象業種にコンビニを追加するよう求めるようです。政府が7月にまとめる「骨太の方針」に反映させ、実現化する構えです。

l  鳴り物入りで始まった「特定技能」は、最大見込みの1割にも到達せず、叩き潰されるはずだった「技能実習」は、内包する諸問題を解決する素振りも見せずに躍進中。そんな中、「特定技能」の不振を挽回するために、コンビニを追加するというのは、タイムリーに見えて、なかなかにトリッキーです。

l  「特定技能」が増えないのは、「技能実習」の諸問題を解決するために規制で雁字搦めにしておきながら、肝心の「技能実習」には同等の規制を導入しないという非合理な政策が原因。ここにメスを入れないで、対象業種を増やすというのは、業界の要望に応える形で貸しを作り、利得にあやかろうとする伝統的な政治手法そのもの。当初17職種でスタートした「技能実習」が82職種にまで拡大した歴史を再現しようというのでしょう。権益争いばかりで、筋の良い制度を創ろうという意思がない政治家には困り果てます。

Vol.687(2020.7.6号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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