外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:憲法

l  9月18日に出た宇都宮地裁真岡支部の判決が話題になっています。憲法は「同性婚を否定していない」という立場から、内縁関係の同性婚を婚姻関係に準じて取り扱い、慰謝料の支払を認めたからです。憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と規定していますから、政府は「同性婚は認めない」という立場をとっています。しかし近年では、法の下の平等(憲法14条)や幸福追求権・個人としての尊重(憲法13条)を根拠として、「同性婚」を認めるべきという学説も有力であるほか、容認派が7割を占めるという調査もあり、同性婚を憲法改正で議論すべきという動きも出てきました。

l  本件について、在留資格の世界では、入管の裁量に完全に委ねられており、外国人同士の場合、双方の国で同性婚が容認されていれば、「特定活動」の在留資格が許可され得るのですが、日本人との事実上の同性婚の場合、政府が「同性婚を認めない」という立場であるため、該当しません。

l  しかし今回、日本人と同性のパートナーに対して、在留特別許可が初めて認められました。前例になるかは不明ですが、入管も少し踏み込んだようです。

【Timely Report】Vol.562(2019.12.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:入国審査官にも情けはある!」も参考になります。


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l  日本に住む外国人の小中学生にあたる子ども(124,049人)のうち、21,701人(全体の17%)が不就学かもしれません。日本語指導が必要な小中高校の児童生徒は過去最多(2018年度・50,759人:うち外国籍40,485人)。日本語指導が必要な高校生の大学等への進学率は42.2%で、平均(71.1%)に遠く及ばず、中退率は9.6%(平均の7.4倍)にも達し、就職しても非正規である割合が40.0%(平均の9.3倍)であるという事実がわかりました。

l  外国人は、憲法が定める教育の義務や権利の対象外なので、保護者が子どもを小中学校に就学させる法的な義務がなく、子供がいる外国人家庭に就学案内を送っていない自治体も4割近くあります。国が自治体に丸投げし、自治体も予算不足で放置。そんな中、注目されているのが「夜間中学」。文部科学省は、都道府県に少なくとも1校は夜間中学を設置するよう促しています。

l  問題は「夜間中学」に興味を示さない外国人。就学機会を与えても猫に小判かもしれません。ドイツやロシアのように、在留条件に「言語・法律・歴史」の修得を義務付けることが必要になるのかも。

【Timely Report】Vol.557(2019.12.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:ヘイトスピーチは沈静化する?」も参考になります。


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