外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:性善説

l  今年10月、国連人権理事会の作業部会は、日本政府に対する意見書の中で、「日本では、難民として保護を求める外国人への差別的対応が常態化している」と指摘し、入管による外国人収容の非人道性を批判しました。

l  入管を批判する勢力は、この追い風を受けて、難民行政の問題点を責め立て、「難民認定率が0.4%では国際的役割が果たせない」「仮放免をもっと柔軟に」「仮放免した外国人に就労を許可すべき」などと主張を先鋭化させています。でも実際に、難民の就労紹介で汗をかいている人は稀です。

l  現在の難民行政に問題があることは否定できませんが、難民を受け入れる社会になっているかについては熟考が必要です。日本語を話せず、また、話す努力もしない難民申請者は大勢います。また、「会社から指示された仕事ができないとき、どうするか?」と聞かれて、「できないことを正当化する」と答えたり、「仕事でミスをしてしまったとき、どうするか?」という問いに対して、「ミスが見つからないようにする」と応える外国人も1割弱います。「難民申請者=善」という前提で進めることは難しいような気がします。

【Timely Report】Vol.7662020.12.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  3月29日、技能実習生の失踪や死亡について調査していた法務省のプロジェクトチームは、失踪者5218人のうち721人に、実習先による不正行為の疑いがあったとの報告書を公表しました。最低賃金割れや不当な残業、外出制限などの扱いを受けていたようです。確かに、技能実習制度を利用していた企業の一部に、極めて悪質な雇用主がいたことは事実です。

l  しかしながら、今回導入する「特定技能」の雇用主が全員「性悪」であると決め付けて、本来「技能実習」に適用した上で、実務上の効果を検証すべきなのに、いきなり「特定技能」に押し付けたことは、愚策だと思われます。

l  マスコミにおける「典型的な報道」では、「企業性悪説・外国人性善説」に依拠して、「①悪い企業がいる ➡ ②外国人が搾取される ➡ ③正義の味方である弁護士が外国人を助ける」というストーリーが垂れ流されるわけですが、これから「実際に起こる現実」は、「①外国人が自分を正当化して嘘をつく ➡ ②悪徳弁護士と組む ➡ ③善良な企業が恐喝される」という可能性も否定できません。実態を踏まえた適切な省令に再整備することを望みます。

 【Timely Report】Vol.399(2019.5.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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