外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:強制労働

l  「特定技能」に圧勝した「技能実習」に新たな敵が立ちはだかりそうです。

l  発注元企業Aが、下請企業Bで実習生を雇用していることを知った場合、その実習生が送り出し機関等に支払った費用に束縛されて働かされるのは強制労働に当たるので、「下請企業Bはその費用を肩代わりせよ」と迫るケースが発生しています。発注元企業Aの顧客であるグローバル企業Cが「SA8000(強制労働の禁止等を定めた就労環境評価の国際規格)」の認証を受けており、「移民労働者が負債を背負って働くのは強制労働に当たる」と考えているため、発注元企業Aにその履行を求めているわけです。グローバル企業がサプライチェーンに責任を負う慣行は国際的に定着しました。自社でなくとも、下請企業が強制労働に関与した場合は、非難の的になります。

l  じつは、東京オリンピックでも、強制労働をさせられている実習生が関った野菜は使えないという話がありました。この件は、日本政府は、国際規格(GAP)を緩和してごまかしましたのですが、時代が激変していく中で、「技能実習」の既得権益を墨守し続けることはできるのでしょうか。

【Timely Report】Vol.632(2020.4.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「技能実習:「技能実習」は法令違反だ!」も参考になります。
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l  東京福祉大学における失踪留学生の事件が、マスコミで大きく取り上げられています。すでに文部科学省と法務省も動き始めましたから、何らかの処分が下されるのだろうと推察されます。ただ、日本のマスコミは、「叩いても良い」という判断を下すと、「真実の報道」ではなく、「エンターティンメントとしてのでっち上げ」を始めるという悪い癖があります。

l  ある週刊誌は、「いろんな国の人が集まりタコ部屋みたいな中で勉強します」というべトナム人研究生の告白(?)を紹介していますが、これはやりすぎでしょう。東京福祉大の肩を持つつもりは毛頭ありませんが、同大学の研究生にしかなれない日本語レベルの留学生で、しかも、非漢字圏のベトナム人が、「N1」でも出てこない「タコ部屋」なんて日本語を知っているはずがないからです。「タコ部屋」とは、主に戦前の北海道で、強制労働をさせる労働者を監視するために閉じ込めた拘束部屋のこと。執筆者は「留学生は、強制労働させられた労働者と同じだ」という主張を展開したかったのでしょうが、あまりにも無理筋。こういうでっち上げはやめてほしいものです。

【Timely Report】Vol.412(2019.5.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

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