外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:失踪者

l  技能実習機構が、多数の失踪者が出たベトナムの大手送り出し機関5社からの実習生の新規受入を停止する方針を決めたようです。この大手5社が派遣している実習生は1割を超えます。2019年末時点のベトナム人実習生22万人で全体の過半数を占めています。同年における実習生の失踪者数は8,796人(2014年の1.8倍)で、ベトナム人は7割(6,105人・2014年の6倍)。

l  実習生の失踪が相次ぐ背景には、送り出し機関が実習生から徴収している高額な手数料があります。ベトナムでは、法令で手数料の上限を3,600ドル(約40万円)と定められていますが、2~3倍の請求が常態化していました。2017年に設立された技能実習機構が4年半経ってようやく本気を出してきたのでしょうか。実習計画の取り消しや監理団体の資格剝奪も毎月のように発表されており、悪質な業者は排除されていくのかもしれません。

l  しかし、気になるのは、日立や日産の違反事件で不問に付されたフレンドニッポンのような大手監理団体への対処。政治銘柄も多いだけに難しいのかもしれませんが、フェアに処分されないのなら関係者は納得しないでしょう。

Timely ReportVol.8212021.6.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  11月12日、入管が、技能実習生の失踪を減らすため、新たに対策を強化する方針を公表したという報道がありました。報道によれば、「大量に失踪者を出した実習先や監理団体は、適正な実習ができていないと見なして、新規の受け入れを停止するほか、賃金の不払いがあるなど違法性が確認できれば、受け入れをできなくするとしています」(NHK)という内容のようです。

l  マスコミは「厳格化」と書いていますが、報道内容によれば、①「大量に失踪者を出した実習先」に限られるので、失踪者が1人でも不可になる「特定技能」より緩い規制ですし、②その場合でも「新規の受け入れを停止」で済むのであれば、既に雇用している「特定技能」も不可となり得る「特定技能」と比べれば相当甘いほか、③「賃金の不払いなど違法性が確認できれば、受け入れをできなくする」という措置も、企業に帰責性のある失踪者1人だけで「受け入れをできなくする」ことになる「特定技能」との比較では、お話にならないほどのユルさです。「技能実習」よりも「特定技能」が厳しいというアンバランスは、早急に是正する必要があります。

【Timel
y Report】Vol.586(2020.2.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:「特定技能」は「技能実習」に敗北?」も参考になります。

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