外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:地震

l  台風21号の直撃で関西国際空港が一時閉鎖され、日々刻々と復旧が図られているものの、関西経済に与えたダメージは、かなりのものがあるようです。大阪城の来館者が半減し、黒門市場が閑散となり、ホテルのキャンセルが大量発生するなど一部では悲鳴に近い声も上がりました。無論、関西空港が完全復旧すれば、それらも過去の笑い話になるのかもしれませんが、北海道地震の影響で観光離れが起きたり、西日本豪雨や大阪北部地震の影響で韓国からの旅行客が前年よりも減るなど、観光業は、ビジネスの本質上、環境変化による大きなアップダウンが避けられません。

l  安倍政権は「観光立国」を掲げていますが、「観光頼み」は、「観光倒れ」になりかねないリスクを抱えています。長い目で見れば、あくまでも「観光」は「大黒柱」ではなく、「+α」と心得て、安定した経済基盤を維持していくことが肝要。そのためには、しっかりとした内需が必要であり、少子高齢化の中でしっかりとした内需を維持していくには、「生活者としての外国人」を受け入れていくことに意義があるという視点を持つことが重要です。
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【Timely Report】Vol.255(2018.9.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

 l  2018年9月の訪日客数は前年比▲5.3%2159600人となり、58カ月ぶりに減少しました。大阪を襲った台風21号と北海道の地震がダブルで効きました。関西国際空港の9月の総旅客数は前年比▲47.9%と大幅減。2018年度上半期で見ても、国内・国際線を合わせた総旅客数は、前年同期比▲1.5%の1391万人にとどまり、7年ぶりに前年を下回りました。高島屋大阪店やフグ専門店「玄品ふぐ」、ラオックス等では、一時期、客数が23割減ったようです。訪日外国人数は、中国、韓国、台湾、香港だけで総数の76%を占めており、災害などにおけるイメージダウンの影響は決して軽視できません。

l  もっとも、訪日客の消費は足元回復基調を辿っているようで、一部では、関西空港の復旧後は、台風前の水準を超えたという話も聞こえてきます。菅義偉官房長官は、「早急にインバウンド(訪日外国人客)の勢いを取り戻し、2020年に4000万人の目標を実現していく」と強調しましたが、「観光立国」の一本足打法だけでは心もとないという厳しい現実を直視して、内需拡大の施策を講じない限り、日本経済の脆弱性は残り続けます。
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【Timely Report】Vol.278(2018.10.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

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