外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:土地

l  日本政府が、外国人や外国資本の企業による国内での土地取得を制限する検討を始めたという報道がありました。米軍や自衛隊の関連施設、原子力発電所の周辺など安全保障上の懸念がある地域などを対象に事前審査などを求めるという内容のようです。現在、日本国内の土地は原則として誰でも取引できますが、安全保障の観点から一部の土地取引の監視を強めるといいます。

l  「中国人が北海道に持っている土地面積は静岡を超える」などと世論を煽る攘夷派は少なくなく、現行法による不動産の国家管理には不備があるとして、6月の「骨太の方針」で、外国人による土地取得の制限について触れ、新法の制定を進めるという流れになると思われます。

l  安全保障への関心が高まること自体は良いことだと思いますが、排斥に力点を置きすぎると、海外から見た日本の魅力を減殺してしまうことになりかねないため、改正外為法で対内投資に規制を掛けたときのような実務的な配慮が欠かせません。必要不可欠な措置に絞り込む一方で、今回の新型肺炎患者の入国拒否のようにやるべきときは果断に実行することが求められます。


【Timel
y Report】Vol.631(2020.4.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管行政:不法上陸は武力で阻止する?」も参考になります。
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l  中国人による「土地」購入が問題視されています。2017年11月29日、自民党「安全保障と土地法制に関する特命委員会」が意見聴取したところ、中国資本による北海道の土地買収が急速に進む実態を踏まえて、土地取引を規制しない場合は「主権国家の日本の中に別の国ができてしまう」という意見が開陳され、外資による土地購入の直接制限を求める意見が相次ぎました。メディアでは、「北海道は中国32番目の省になる」「北海道が中国の“北海省”になる日も遠くない」「これは武器を持たない、目に見えない戦争だ」などというおどろおどろしい言説も流されています。

l  一方、日本人は「土地」を棄て始めました。相続放棄が相次ぎ、死者の名義のままの「土地」が全国で増えています。治安や防災上の問題も発生しています。要らなくなった土地を国に引き取ってもらおうと、国を相手に裁判を起こした男性がいるほど。ところが、国は「土地は要らない」と突っぱねました。日本人が土地を棄てる背景には、不合理な諸制度があります。そこを改革せずに、「外国人は土地を買うな」と叫んでも事態は悪化するだけです。
フィールド, 草, ワインディング ロード, 日没, 自然風景, 田舎
【Timely Report】Vol.73(2017.12.25)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「外国人なしに日本は成り立つのか?」も参考になります。

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