外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:国籍

l  ハイチ出身の父と日本人の母を持つテニスの大坂なおみ選手は、幼少から米国を拠点とし、日本と米国の国籍を持っていますが、国籍法が年齢制限として規定している22歳の誕生日(10月16日)を迎える前に、日本国籍を選ぶ届け出を済ませたことが報じられ、日本中が歓喜しました。

l  ただし、米国国籍から離脱したという報道はありませんから、実態としては二重国籍のままだと思われます。国籍法は、外国籍の離脱の努力をするように求めているものの、罰則規定はありません。また、米国には「国籍離脱税」(全財産の20%)があり、大坂選手の場合、数億円に達するという見方もあります。そういう状況下で、米国国籍を離脱させることは酷に過ぎます。

l  類似の事例は今後も頻発しますから、二重国籍の是非を含め、「日本人とは何者か?」という突っ込んだ議論が必要です。日本人の定義をどうするか、日本人としての権利はどこまで認めるべきか、日本人としての義務はどうあるべきか、日本国が守るべき日本人の定義をどう定めるべきか、日本国が守るべき日本人の権利はどこまで拡大すべきなのか、など難問山積です。

【Timel
y Report】Vol.565(2020.1.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「国籍問題:大坂なおみと二重国籍問題」も参考になります。


外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  9月25日、ニューヨーク市人権委員会は、「在留資格と国籍に基づく差別の法的取り締まりガイダンス」を発表しました。ニューヨーク市においては、不法移民に対して、雇用主や家主、ビジネスオーナーらが「ICE(移民税関捜査局)に通報する」と脅かしたり、相手を侮辱的に「illegal alien」(不法入国者)と呼んだりすると、市の人権法に違反するとして、最大で2万5,000ドル(約270万円)の罰金が科されることになったのです。

l  単にガイダンスだけの話だと思ってはいけません。クイーンズ区の家主が、家賃を支払わない住人に対して「家賃を払わなければICEに通報する」と脅かしたケースでは、住人が「住宅差別」に当たるとして家主を提訴し、裁判官が家主に対して1万7,000ドル(184万円)の支払いを命じています。

l  あからさまなヘイトスピーチに対してすら明確な罰則規定がない日本では考えられない話ですが、「移民国家」である米国では、「移民に対する差別」は御法度。しかし、「不法移民」に対して、「不法入国者」と呼んだり、「入管に通報するぞ」と言っただけで、200万円の罰金というのは痺れますね。

【Timely Report】Vol.555(2019.12.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:ヘイトスピーチは沈静化する?」も参考になります。


外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  9月20日、ラグビーW杯で、日本代表がロシアを撃破しました。ラグビー日本代表は、選ばれた31名中15名が外国出身選手。ハットトリックを決めて、一躍注目を集めた松島幸太朗選手は、ジンバブエ人の父を持ち、南アフリカで生まれた経歴の持ち主ですから、彼を「外国出身選手」と定義すれば、過半数が「純粋な日本人」ではないということになります。

l  ラグビーの場合、国家の対抗戦ではなく、所属協会の対抗戦であり、3年居住すれば代表になれるなど、国籍による制約が緩いので、このような状況が発生し得るわけですが、そろそろ日本でも、「日本人とは何か?」「日本人になるには何を求めるか?」「どういう条件を充たした場合は日本人として認めるのか?」という正々堂々とした議論が求められているような気がします。

l  同様に「受け入れてよい外国人とは何か?」「受け入れるには何を求めるか?」「どういう条件を充たした場合は移民として認めるのか?」という正々堂々とした議論をすることも必要になってきています。「移民」の定義を曖昧にすることでは問題は解決しません。未来を見据えて真剣に討議すべきです。

【Timely Report】Vol.549(2019.12.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。


外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  「外国人を受け入れるか否か」という問いの裏側には、「日本人とは何か?」という難題が存在します。「外国人(=外国国籍)は受け入れない」という主張は、「日本人(=日本国籍)は受け入れる」ことを含意し、「日本人」と認定されたら、受け入れることになるからです。

l  この点で、テニスの大坂なおみ選手の「二重国籍」や白鵬の「帰化」は、重要な争点を提供します。国籍法は、「二重国籍」を認めず(ただし罰則なし)、①5年以上日本に住所を有する、②20歳以上、③素行が善良である、④生計を営む能力がある、⑤破壊行為に従事したことがない、という条件を満たした場合、「帰化」の対象になり得るとしていますから、実質的な審査基準はともかくとして、表面的には、それほどハードルは高くありません。

l  外国人受け入れに断固反対するのなら、「二重国籍不可」「帰化撤廃」という論理になるはず。その場合、大阪なおみ選手も白鵬も受け入れることはできません。「日本に貢献しているから可」とするのなら、他の貢献する外国人にも門戸を開くべきということになります。どちらを選ぶべきでしょうか。
アート, 罫線, 少年, 子, クロマチック, 協力, 国, お父さん, 娘
【Timely Report】Vol.434(2019.6.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
大坂なおみと二重国籍問題」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  米国で「出産ツーリズム」が問題になっています。国籍取得に関して、米国では、親の国籍で決まる「血統主義」ではなく、出生地で決定する「出生地主義」を採用しているため、米国で出産することにより子どもに米国籍を与えたいと考える妊婦が後を絶たず、それを商売にしているブローカーもいるため、ひとつの産業になっています。一説によれば、毎年3~8万人が15,000~50,000ドルの費用(VIPは100,000ドル)を支払って、「出産ツーリズム」で訪米するとも言われています。生まれた子どもは母国で育てられた後、米国に戻り、21歳になったら両親を呼び寄せることができるのが魅力です。

l  妊婦は、入管通過時に「ゆったりとした服」を着用して妊娠状態を隠すよう指示され、模擬面接を行って、滞在目的を偽るように指導されます。このため、1月末には、中国人を顧客とする「出産ツーリズム」企業を運営したとして、中国人3人が逮捕されました。500人以上の中国人顧客を抱え、中国から2年間で340万ドルの送金を受け取っていました。ブローカー対策に頭を悩ませているのは、日本だけではありません。

【Timely Report】Vol.400(2019.5.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 
全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ