外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:倒産

l  611日、安倍政権は、「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」の素案を公表し、今年10月に消費税率を10%に引き上げると明記しました。自民党も、同じ内容を参院選のマニフェストに書き込みましたから、一時期盛り上がりを見せた「消費税増税延期策」の可能性は極めて低くなりました。

l  景気の足元は極めて弱く、税率引き上げ時に通常見られるはずの「駆け込み需要」すら見られないのではないかという雰囲気が漂い始めました。誤った経済政策の効果により、倒産件数も着実に増加してきました。

l  アベノミクスは、結局のところ、①物価を上げれば景気は良くなる、②労働時間を短縮すれば生産性は向上する、③最低賃金を上げれば生産性が上がる、という3つの誤った思い込みで成り立っている「邪教」にすぎませんでした。だから、日本経済が健全な成長過程に戻ることはなかったのです。その上に、消費税増税をすれば、景気の腰折れでは済まず、不況を招きかねません。このまま、消費税増税を強行すれば、類似の経済政策で大失敗した韓国に学ばなかった愚かな政権として、歴史に名を刻むことになるでしょう。残念です。

【Timely Report】Vol.465(2019.8.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2018年の「人手不足倒産」は、前年比22.0%増の387件と最多記録を更新しました。そんな中、マクロの景気指標も陰り始めました。昨年12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門が揃って悪化し、全体の景況感が2017年3月以来の低水準に低下。日銀が実施した「生活意識に関するアンケート調査」でも、個人の景況感DIは▲32.0と、6年ぶりの低水準で、アベノミクスが始動する直前の水準にまで落ち込んでいます。

l  昨年12月に発表された日銀短観では、3カ月先の「業況判断DI」が現状よりもかなり悪化する見通しになっている中、帝国データバンクの調査でも、「回復局面」と判断する企業が激減する一方、「悪化局面」と指摘した企業が倍増する勢いであることが明らかになりました。景気の懸念材料としては、「消費税制」「人手不足」「原油・素材価格の上昇」が指摘されています。

l  昨年7~9月期のGDPも大きく下振れしたなど、景気の先行きには赤信号が灯っています。根拠なき楽観論に踊らされることなく、「景気後退局面に入った」と腹を括って、会社を運営する必要がありそうです。
クラッシュ, 統計情報, チャート, グラフィック, バー, シンボル, 矢印
【Timely Report】Vol.336(2019.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  「物価が上がれば、景気が良くなる」(=物価上昇=賃金上昇=消費増大=景気向上)という宗教に対して、経営者たちがどのように対処したかを確認しておきましょう。直近1年間(201611月~201710月)の正社員賃金の上昇率(前年比)は+0.1%~+0.5%に過ぎず、年間平均でも+0.3%にすぎません。労働需給の調整弁となっているアルバイトの時給を見ると、職種によっては、前年比+3.0%を超えるケースもありますが、給与総額で見ると▲0.9%~+2.0%の範囲内にとどまっており、平均的には+0.6%程度。

l  ちなみに、物価上昇分を差し引いた実質賃金の前年比(=賃金上昇率-物価上昇率)は、正社員は▲0.4%~0.0%と水面下で推移しています。消費増の背景となるべき実質賃金が増えていないのに「消費が増える」と主張する方がどうかしています。そういう状況下で物価が上がれば、さらに実質賃金は下がることになってしまいます。そうなれば、ますます消費は冷え込みます。この一例を見ても、「物価が上がれば、景気が良くなる」という宗教(=邪教)が誤っていることは明白なのです。

l  統計を詳細に分析すれば、景気が良いはずの都市圏で倒産が増えつつあり、景気があまりよくない地方圏では倒産が目立たなくなっています。2017年度上半期における企業の倒産件数は、前年比で9年ぶりに前年を上回りました。全国での倒産の増加率は+0.1%とほんの少しだけ上回った感じなのですが、その内訳を見ると、九州・沖縄は▲12%、静岡県は▲13%と地方における倒産の減少が目立ちます。ところがその一方で、東京都の倒産件数は前年比で+11%、近畿は+13%、中部3県は+14%と、主に都市圏で倒産件数が増加しているのです。つまり、都市圏で倒産件数が2ケタ増になっている一方で、地方圏では倒産件数が減っているという現象が生じているわけです。

l  要するに、景気が良いはずの都市圏では人が採用できない零細企業が倒産し、景気が悪い地方では人手不足倒産が起きにくいという「常識とは逆転した結果」になっています。つまり、直面している好況をチャンスと捉えて、「人手不足賃金上昇価格上昇売上増大」という針路を選択した都市圏の企業が人手不足で倒産に至っている一方、成長をあきらめて、「人手不足拡大抑制賃金抑制縮小均衡」という指針に忠実な地方企業では、倒産に至りにくいという現象が観察されているのです。本当に経済状況を改善したいと願う政策当局者なのであれば、この事実を軽視すべきではありません。

l  ところが、そんな中で、政策当局者は、「雇用供給の削減」という愚かな政策を大々的に推進しようとしています。「人手不足」の上に、さらに「人手不足」を加速させようというのです。「電通ショック」に象徴される残業廃止・労働時間削減の波は止まるところを知らず、深刻な「人手不足」を、さらに深刻化させていますが、アルバイトや派遣という弾力的な労働力を「正規労働化」という名目の下、非弾力的にしようとしています。さらに、人手不足を緩和してきた留学生アルバイトすらも、「28時間超の撲滅」という正義の旗の下、大々的に退治しようとしています。これらの結果、2018年は、「安定的で健全な人手の確保」に失敗した数多くの企業が極めて苦しい難局に直面する年になると予測されます。

l  特に、労働需給の調整弁になってきた残業時間の柔軟性を失わせてしまったことが悪影響を及ぼします。さらに、日本政府は、アルバイトや派遣という「非正規労働」についても、「正規労働=正社員」化を推し進めていますから、アルバイトや派遣による調整弁の機能も鈍くなります。それに加えて、留学生アルバイトという調整弁を封じてしまったら、労働市場において、マーケット・メカニズムを機能させることは極めて難しくなっていくでしょう。

l  この誤った経済政策の実施は、地価上昇に歯止めをかけるために誤った政策を総動員した「バブル崩壊」を髣髴とさせます。「地価上昇=悪」という思い込みが「地価下落=善」という宗教にまで高まった結果、日本の政策当局者は、通常の金融引き締めだけに飽き足らず、1990年に「総量規制・三業種規制」(不動産向け融資を抑制し、不動産業・建設業・ノンバンクへの融資を厳格化する)という極めて人工的な「地価下落」の劇薬を投与しました。マーケット・メカニズムの機能を無視して実施された政策の結果が、「官製不況」とも呼ばれる、20年を超えるデフレをもたらしましたのですが、日本の政策当局者は、この惨事から何も学んでいないように見えます。

l  「地価下落=善」という邪教に突き動かされた1990年代の誤った経済政策は、マーケット・メカニズムの機能を無視して、人工的な「カネ不足」を演出し、手ひどい貸し渋りや貸しはがしを惹起しました。それが、20年を超える経済不振を日本にもたらしました。そして、いま、「労働削減=善」という邪教に突き動かされた経済政策は、マーケット・メカニズムの機能を無視して、人工的な「ヒト不足」を演出し、その不足度合いをさらに加速しようとしています。その結果がどうなるかについては、今後の趨勢を見守るしかありませんが、2018年以降、悲惨な影響をもたらすことだけは確かです。
金融危機, 証券取引所, トレンド, シンボル, 矢印, 方向, ダウン, 低迷
【Timely Report】Vol.75(2018.1.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2017年の倒産件数(8376件)が8年振りに増加(前年比+2.6%)する中で、「人手不足倒産」が106件の大幅増加(+47.2%)となりました。仕事は増えているのに働き手が足りないので仕事を受けられずに事業継続を断念せざるを得ない、という現象が全国各地で発生しています。象徴的なのがコンビニです。国内市場が飽和状態となる中で競争が激化し、人手不足も経営に追い打ちをかけています。昨年の倒産件数は5年連続で増加して51件と過去2番目に高い水準。休業・解散と倒産を合わせると年間で初めて200件を超えました。消費が伸び悩む中、スーパーやネット販売、他社との競争激化に加え、人手不足による人件費上昇が重荷となっています。

l  人手不足と感じている企業の割合は71%。人口減少の加速で、働き手がますます減っていく中で、環境はさらに厳しくなっていくことが予想されます。上場企業ですら「人材不足」がリスク要因のトップ3に上がってきました。「外国人労働者の活用が欠かせない。働き手として定住できることなどを真剣に考えるべき」という識者の意見に耳を傾けるべきではないでしょうか。
破産した, 支払い不能, 破産, 負債, 倒産処理, 貧困, 貧しい, 破った

【Timely Report】Vol.114(2018.3.6)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
自衛隊も人手不足に苦悩する!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

1.       「景気は緩やかに拡大している」という大本営発表の中、2017年度上半期の企業の倒産件数が前年同期比で9年ぶりに前年を上回ったという事実が、経営現場の実感を代弁しています。地方都市で倒産件数が減っている一方、都市圏では倒産件数が2ケタ増。景気が良い都市圏では、人が採用できない零細企業が倒産し、景気が悪い地方では、人手不足倒産が起きにくくなっているのです。都内では本当に人が採れなくなりました。広告費をかける体力がない中小企業では、社員やバイトが抜けていき、オペレーションが回りません。時給を上げて引きとめようとしても、人件費は増える一方で、オーナーは休日もなしに出勤しなければならない。結局、どこかの段階で破綻してお店を畳むしかなくなるという、負の連鎖が起きているのです。

2.       従来、倒産はカネ不足で起こっていましたが、これからはヒト不足で倒産が起きます。おカネは政策で増やせますが、ヒトは移民政策でも採らない限り簡単には増えません。せっかく247万人もの外国人が日本に在留していても、それを活かす知恵がなければ、経済は衰退していく一方です。
町に署名, 破産, 倒産, 流動性, ビジネス タスク, バスト, 破滅, 障害
【Timely Report】Vol.44(2017.10.26)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ


↑このページのトップヘ