外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:介護

l  新聞記事の信憑性が薄れる背景には、「基本的な事項を調査してから、必要な取材をして、結論を出す」のではなく、記者が「結論を決め打ちし、その結論を導いてくれそうな人に取材して、基本的な事項を再調査しない」という実態があります。7月13日付けの大手新聞の記事は典型的な一例です。

l  「コロナショック→外国人解雇→転職ニーズ→特定技能の不具合」という筋書きを組み立てた上で、知り合いの業者にインタビュー。業者は、「解雇した企業やその労働組合が支援すべきだが、大体は『あとは自分でなんとかしろ』と放り出すだけ」と期待通りのコメント。そして、「特定技能」による介護分野での就労を外国人に勧めているが、「介護技能評価試験と介護日本語評価試験の両方に合格する必要がある」ので難しいという結論に導きます。

l  しかしいまは、将来「特定技能」に変更することを展望した「特定活動」が認められているので、試験合格は不要です。介護での就労に挑戦する外国人も増えています。折角、入管が画期的な対応をしているのに、事実を踏まえることなくケチを付けるのでは、入管があまりにも可哀そうです。

Vol.700(2020.7.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  マスコミでは、未だに「ビザを緩めたら外国人がどんどんやってくる」という前提で議論している識者がいて面食らうときがあります。確かに、今のところ、東南アジアの労働者にとって、日本は「稼げる国」の代表格。2015年時点では、日本の平均月給は33万円で、中国の3倍以上、ベトナムとフィリピンの約13倍でした。しかし、その格差は縮小する一方であり、中国・韓国・台湾は「人材輸入」の競合国に台頭してきています。

l  建設業では、外国人なしでは現場が回らないにもかかわらず、待遇が改善されません。ほとんど休めないのに技能実習生の平均月収は17万円未満。かつて大多数を占めていた中国人たちは、日本を選ばなくなりました。介護業界でも、月給14万円に過ぎない例があるなど、「日本より中国のほうが待遇がいい」という声が出ています。「安くこき使って搾取して期限が来たら追い返す国」と「人として受け入れて共生を目指す国」のどちらが選ばれるかは明白。人道上という話ではなく、日本社会や日本企業が外国人の「労働力」を必要とするのであれば、「人」として受け入れるしか道はないのです。
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【Timely Report】Vol.246(2018.9.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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1.       基礎年金において総額598億円もの支給漏れが発覚しました。その一方で、年金受給額はじわりと減額され、医療や介護の自己負担は増えていきます。そんな中、政府内からは「年金受給は75歳から」という声も洩れてきました。少子高齢化が進み、老後の不安はますます募るばかりです。

2.       じつは、年金財政を1兆円以上改善させる簡単な方法があります。それは、厚生年金を法令通りに支払った外国人に対して、在留資格の変更や在留期間の更新を認めるという政策です。留学生に対しても出席率80%以上を条件として、「週28時間以下」という上限を廃止し、厚生年金を納めたら「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を認めることにすれば効果絶大です。

3.       「永住者」でない在留外国人にとって、厚生年金は支払う意味がありません。統計上は、在留外国人238万人のうち就労者108万人となっていますが、年金負担を嫌って申告しない人は多く、ほとんどの留学生は「週28時間以内」を取り繕うために過少申告しています。「年金を負担すれば在留資格を認める」というだけで、年金財政は劇的に改善するのですが・・・
昔の人々, 年金受給者, 年金, お金, 通貨, ユーロ, 現金及び現金同等物
【Timely Report】Vol.28(2017.9.20)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2025年に介護職が34万人不足するため、「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習」という在留資格に加えて、「特定技能」が新設されます。「技能実習(介護)」では、9割のEPA受入施設が日本語能力試験N3以上を求めたことを受け、「入国時N4・1年以内N3」という基準を定めましたが、これが大不評。ベトナム政府は「日本に行っても1年で帰国となると社会問題になる」として消極的。人手が集まらない現場は「言葉が通じなくても行動で示してくれればいい」「大切なのは心だ」として、日本語基準の緩和を求め始めました。政府は、N3に到達できなくても、引き続き在留できる仕組みを検討。元々、「特定技能」は、技能実習修了者の日本語試験を免除する方針です。

l  しかし、日本で生活するなら日本語は必須。大過なく外国人を受け入れていくためにも、一定の日本語力は不可欠であり、日本語学習を支援する政策が大切です。厳しいかもしれませんが、長い目で見れば、「N3」というハードルを下げるべきではありません。一定水準の日本語力を持っているのに帰国している留学生の就労支援を拡充する方が先決だと思います。
ようこそ, 単語, ご挨拶, 言語, 通信, タイポグラフィ, 書き込み
【Timely Report】Vol.259(2018.10.2)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「「外国人庁」が必要です!」も参考になります。

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l  自民党は、「介護に従事する外国人」について、現行ルールの再検討を始めました。本来であれば、専門学校等に通って資格を目指す「養成校ルート」に関しては、2022年度から介護福祉士の合格を義務付けるのが既定路線だったのですが、関係団体から義務付けの延期を求める声が相次いだことから、「今後も引き続き議論を深めていく」として延期に含みを持たせました。

l  そもそも養成校では日本人学生が激減して死にそうだったところ、外国人留学生で延命しており、2019年度の留学生は2037人。前年度(1142人)のほぼ倍で、全体に占める割合も29.2%に達しました。「介護」の「技能実習」や「特定技能」が不振の中で、人手不足に悩んでいる現場は悲鳴を上げていますから、特別に国家試験を免除して、養成校の卒業生に在留資格を認めている「抜け道」を防がれると、不合格が頻発して大問題になり得ます。

l  「介護」については、本件だけでなく、日本語試験のレベルや特定技能への移行に関しても特別な配慮が施されました。このままだとズルズルと緩和していくことになりますが、果たしてそれでよいのでしょうか。

【Timely Report】Vol.585(2020.2.6号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「在留資格:日本語能力は高いほどよい?」も参考になります。

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