外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:人手不足

l  日銀が10月1日に発表した短観で、大企業の製造業の景気判断を示す指数が3期連続で悪化しました。これは、日銀が大規模な金融緩和に乗り出した直後の2013年6月以来の低い水準です。見通しも明るくありません。大企業の非製造業も悪化に転じました。先行きに対する警戒感が充満しています。

l  政府は「景気は緩やかに回復している」と言い張っていますが、白旗を掲げるのは時間の問題。人口減を背景とした消費不振と人手不足に悩まされ続ける中で、日本型雇用の改革をも迫られている企業に対して、最低賃金の引き上げや働き方改革等による無駄なダメージを与えた上に、消費税増税という悪手を放っただけでなく、来たる4月から残業規制を本格的に導入するというのですから、悶絶死する先が続出してもおかしくありません。

l  それにしても驚かされるのは、増税にもかかわらず、価格据え置きを打ち出す企業の数が多いこと。消費の最前線にいるだけに、需要の弱さを実感しているのでしょう。しかし、2~3%の利益率しかない企業が値上げしない場合、増税で2%が吹っ飛ぶので、一気に死活問題になります。修羅場の到来です。

【Timely Report】Vol.563(2020.1.6号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:アベノミクスは増税で絶命する!」も参考になります。


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l  自衛隊が窮地に陥っています。自衛官の応募者数は、33,534人(2013年)から27,510人(2017年)に減少。採用数は4年連続で計画を下回り、兵隊レベルの充足率は73.7%。6.5%だった女性自衛官の比率を9%に引き上げ、募集の年齢上限を26歳から32歳に引き上げますが、このまま採用難が続けば、国連PKO活動を止めざるを得ないという声も。

l  それもそのはず。日本国内は、正社員の不足を訴える企業が過半数。人手不足倒産が前年比45割増で、求人難による倒産は倍増。後継者難の中、「働き方改悪」が経営を圧迫し、賃金上昇やコスト増が続いて収益が悪化していることに加えて、地銀が企業を支えられなくなってきたことから、人手不足倒産はさらに増加することが懸念されています。そんな中、人件費の高騰を賄いきれず、牛丼の吉野家が8年ぶりに赤字に転落しました。

l  企業から見れば、求人が充足できない切迫した状況が続いていますが、求職者サイドでも、就業率の鈍化が気になります。国内市場の成長が期待できない中では、強気一本槍の雇用戦略は採れません。倒産動向には要注意です。
兵士, ミリタリー, アメリカ, 武器, 戦争, 戦う, 防衛, 電源
【Timely Report】Vol.271(2018.10.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  中小企業の7割以上が「人手不足を感じている」と回答。そのうち5割以上は、人手不足の度合いが「深刻」「かなり深刻」と答えています。その中で、2019年上半期の「人手不足」関連倒産は191件となり、過去最高を記録しました。人手確保が困難で経営難に陥った「求人難」型は47件で前年比2.4倍。また、「従業員退職」型も20件で前年比2倍になりました。2019年を通しても過去最多を塗り替える可能性があります。

l  マイナビによれば、企業が新卒採用で投じるコストは一人当たり50万円。中小企業は、こんな高額な採用活動費を払えないので、大企業の雇用者数が増加する半面、中小企業の従業員はどんどん減少しています。ここ20年で従業員数500人以上の規模の企業では従業員数が約382万人増加している一方、29人以下の規模の企業は従業員数が約215万人減少しているのです。

l  建設業界では、業績良好でも身売りする事例があるほか、「年中休業日なし」が常識だった旅館でも「休業日」を設けたり、24時間営業が売りのコンビニも時短を検討し始めました。人手不足が致命傷になる時代が到来しました。

【Timely Report】Vol.501(2019.10.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「アベノミクスは増税で絶命する!」も参考になります。


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l  無責任な経済学者やエコノミストは、未だに「人手不足は賃上げすれば解決する」と主張していますが、経営の現場には、「量(労働量)」と「価格(賃金)」以外にも大事な変数があります。それは「質(サービスの品質)」です。

l  建設現場がわかりやすい事例です。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2017年には498万人と3割弱も減少。恒常的な人手不足に見舞われています。レオパレス21のアパートでは屋根裏の界壁がないことで世間を賑わし、ダイワハウスでも約2000棟の施工不良問題が発覚しましたが、これらは特殊な例外ではありません。人手不足のため、1人の現場監督が2桁を超える現場を担当している中、工事に忘れや雑な個所が目立つようになり、工事の不具合や不手際が年中発生するようになっただけでなく、建設現場における死亡事故も増えています。業界関係者は、「最近2年間に建てられた物件は買うな」と身内には囁いています。

l  人手不足は質の低下・劣化を生み、将来のリスクを膨張させ、競争力を減殺していきます。単に「価格(賃金)」だけで解決する問題ではないのです。


【Timely Report】Vol.450(2019.7.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
アベノミクスには期待できない!」も参考になります。

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l  最近、「人手不足は労働条件が酷い会社の泣き言だ」とか、「人手不足を解消したいなら賃金を上げればいい」という現実を無視した短絡的な議論が幅を利かせています。そういう論者たちは、佐賀県に行き、昭和自動車の社長に対して、自説を唱えていただきたいと思います。

l  昭和自動車は、佐賀県内で運行するバス26路線の再編を検討しています。バス運転手の3割以上が60歳を超えており、若手の免許保有者の補充も見込めません。50万円の入社祝い金や免許の取得支援などを講じて、年に4050人を雇っていますが、人数の出入りはトントン。今後の高齢者の引退には耐えられないと見て、現状の路線維持は難しいという経営判断です。

l  自治体が赤字分を補助金で補填する路線であっても、「今回の件は、人手の問題で、経営統合などではなかなか解消しにくい」と社長は語っています。佐賀県知事は、「賃金を上げれば解決する」と主張する識者たちに声掛けして、昭和自動車の代わりに路線バスを運営してもらうべきです。彼らの説によれば、賃上げすれば生産性が向上して問題は雲散霧消するはずですから。

【Timely Report】Vol.414(2019.5.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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