外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:人口減

l  人口が右肩上がりの時代に築き上げられたビジネスモデルは、これから訪れる本格的な人口減で、崩壊していきます。この大変化に対応できない企業も破綻していきます。注目すべきは不動産業界。居住者が確実に減っていく中でも、新築物件を建てて販売しなければ儲からないビジネスモデルに深く組み込まれてしまっているので、従来のやり方を止めることができません。

l  不動産業界は、日本人人口が減少し、全国的に空き家が激増する中で、個人投資家を煽った仮需でごまかし、手に余ればREITのゴミ箱に捨てるという仕組みで凌いできましたが、永遠に騙し続けることは不可能です。しかも、タワーマンションの老朽化や、2022年から生産緑地から転用される宅地が激増するという時限爆弾も抱えています。それなのに、現状から目を背け、明るい未来を信じて、ひたすら新築物件を造り続けています。

l  しかし、情け容赦のない市場の重力は、遅かれ早かれ、働き始めるでしょう。在庫を抱えたデベロッパーや失敗した個人投資家が自己破産するケースも増えてきました。壊滅的なバブル崩壊にならないことを祈るばかりです。

【Timely Report】Vol.474(2019.8.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「地価上昇に小躍りするな!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
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l  日本人の人口(2019.1.1現在)は10年連続で減少し、1億2478万人になりました。去年1年間に生まれた日本人は92万人と過去最少を記録した一方で、死亡数から出生数を引いた自然減は過去最大の44万人。子どもを産む年代の女性が激減しているので、少子高齢化は止まる気配がありません。

l  日本人の生産年齢人口(15~64歳)は7424万人と61万人減り、日本人全体の59.5%しかいません(過去最低)。その一方、外国人の生産年齢人口は15万人増えて227万人。外国人全体の85.1%を占めており、中でも20代が31.0%もいます。もし、外国人の増加がなければ、働き手の減少は補われず、少子高齢化の痛みはさらに厳しいものになっていたでしょう。

l  外国人住民は、去年より約17万人増えて267万人になり、初めて全体の2%を超えました。47都道府県のすべてで外国人住民が増えており、人口減で苦しんできた島根県では15%以上も増えています。「外国人を受け入れることはある程度不可欠だ」という現実的な覚悟を持った上で、どのような条件を設けて、何万人まで受け入れ、どう共生していくのかを議論すべきです。

【Timely Report】Vol.491(2019.9.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  世界各国が人口減で悩んでいます。2020年から2050年の間に、最も大きく人口が減ると見られる国の第1位はブルガリアで▲22.5%。690万人から540万人に急減する見込みです。ブルガリアの悩みは海外移民。ブルガリアの月間最低賃金が320ドルとEU加盟国の中で最低水準なので、2017年の1年間だけで、ドイツへの移民が3万人を超えたといいます。

l  2位リトアニア(▲22.1%)、3位ラトビア(▲21.6%)、4位ウクライナ(▲19.5%)、5位セルビア(▲18.9%)、6位ボスニア・ヘルツェゴビナ(▲18.2%)、7位クロアチア(▲18.0%)、8位モルドバ(▲16.7%)と東欧勢が続きます。自国経済が貧しいがゆえに豊かな国に人口が吸い取られている格好です。

l  日本は、第9位(▲16.3%)。1億2650万人から1億580万人へと30年間で2000万人以上減る計算です。周辺国と比べれば、まだ日本が豊かだから、この程度で留まるという予測なのでしょう。シンガポールがますます魅力的になり、中国が豊かになったら、東欧諸国のように他国に移民する若者が増えていく可能性だって否定できません。そうなれば、人口減は加速します。

【Timely Report】Vol.568(2020.1.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。


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l  経済学者に対して、人口減少が日本経済に与える影響を尋ねると、「人口減少と高齢化は経済の停滞を運命づけるものではない。むしろ場合によっては、人口減少や高齢化が経済を活性化する可能性すらある」とか、「成長は1人当たりGDPの拡大による。その1人当たりGDPは、イノベーションで伸びる。供給側の事情を見ても、行き詰まっている社会の方が、イノベーションの動機は大きくなる」「労働力不足になると、飲食店が自動食器洗い機を買うようになる。そうした流れが加速すれば、最新の皿洗い技術が広く使われるようになる。そうした投資が行われれば日本経済の生産性は大幅に向上する」などと答えてくれます。要するに、人手不足になると省力化投資が増えて労働生産性が上がるから日本経済は成長するというのです。

l  この理論が正しいのであれば、限界集落や過疎の村、人口が長期減少している田舎では、省力化投資が進んで労働生産性が向上しているはずですが、そんな話は聞いたことがありません。こういう無責任な言説を垂れ流す経済学者たちは過疎の村に全員移住させて、村の経済の復活を託したいものです。
風景, 秋, 夕暮れ, 山, 今日の午後, 村
【Timely Report】Vol.104(2018.2.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  昭和時代に「王者」として君臨してきた銀行界は、いまやその面影もなく青息吐息の状態で、やっていることと言えば、人員削減と機械化と支店統合とATM共通化という経費削減策ばかり。ノルマを廃止するのは「どうぞご自由に」という感じですが、大向こうを唸らせる新戦略を打ち出す気力はまるでなく、挙句の果てには「口座手数料を導入して不労所得を得たい」と言い出す始末。活況に見えるタワーマンションも一皮むけばリスクだらけ。昭和時代に必勝を約束した方程式は、必敗の予感を漂わせるようになりました。

l  昭和型ビジネスが終焉に向かっていく途上で、人口減の中、消費不振と人手不足が慢性化。そんな中、消費税が増税され、最低賃金が引き上げられ、来春には残業規制も本格化します。少なからぬ企業が今後淘汰されていきますが、そこから弾き出された失業者を高給で迎え入れる産業が育っている気配はありません。「人手不足だから失業してもすぐに再雇用される」という楽観論もありますが、業容拡大のために積極的な雇用戦略を駆使する大企業は圧倒的な少数派。銀行界の実情を見れば明らかです。

【Timely Report】Vol.552(2019.12.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:日本はアジア最貧国になる?」も参考になります。


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