外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:マレーシア

l  92歳にして政権に復帰したマレーシアのマハティール首相は、「ルックイースト政策(日本に学べ)」を再度提唱し、「物事に失敗した時に恥ずかしい、忸怩たる思いだと感じることは日本人の中に染みこんでいる。そして期待や信頼に応えるためにさらに一生懸命の努力を重ねる。こうした美徳をマレーシア人が見習うことこそが成功への道である」と力説しました。

l  「最近の日本人社員は転勤を嫌がり、アルバイトよりもやる気がない」とか「アルバイトはバイトテロを起こす」という事実を知ったら、マハティール首相は絶句するかもしれません。「期待や信頼に応えるために一生懸命の努力を重ねる」という日本人の美徳は、かなり薄らいでいるような気がします。かつて圧倒的多数の日本人が共感したNHKの「プロジェクトX」は、今風に言えば「ブラックの塊」でしょうし、世界中に感動を与えた朝の連続TV小説「おしん」も再放送されたら、日本国内では「人権侵害の物語」として酷評されるような気がします。果たして日本人は、「期待や信頼に応えるために一生懸命の努力を重ねる」という美徳を今も持っているのでしょうか。

【Timely Report】Vol.418(2019.6.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  在留資格「特定技能」を新設すると、外国人労働者が大勢訪れるという想定で議論されがちですが、本当にそうでしょうか。既に数多くの日本企業では、技能実習生の労働に頼る構図ができあがっていますが、「技能実習」の評判が素晴らしいかと言うと決してそうではありません。日本で働いていた中国人の技能実習生たちは自国の経済発展とともに急減していきました。

l  それに代わって増えたのが、ベトナム人です。2012年におけるベトナム人の出稼ぎ先を見ると、日本は台湾・マレーシア・韓国に次ぐ第4位に過ぎませんでしたが、2016年には台湾(68,244人)に次ぐ第2位(39,938人)にまで浮上しました。しかし、台湾とはまだまだ差があり、統計には表れてこない中国への違法な出稼ぎも決して少なくありません。

l  年間4000人を呼び込む予定だった日系4世ビザは、現状2人に過ぎません。過去の技能実習生を呼び戻すために20154月に開始した「外国人建設就労者受入事業」も、3年半かけて、ようやく4000人台に乗っただけです。上から目線で外国人材を呼ぼうと思っても決してうまくはいかないのです。
クローズ アップ, 目, まつげ, 参照してください, 女性
【Timely Report】Vol.283(2018.11.6)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  71日時点の基準地価は、商業地が+1.1%の上昇に転じ、全用途でも27年ぶりに下落から上昇に転じました。ニセコ、祇園、歌舞伎町、雷門に象徴される「外国人パワー」の寄与で地価が上昇しました。一方、「外国人パワー」を拒否する国もあります。住宅価格が10年で2倍に跳ね上がったニュージーランドは、外国人による中古住宅の購入を禁止しました。マレーシアでも、ジョホールバルで開発が進む巨大都市開発構想「フォレスト・シティ」で外国人が不動産物件を購入することを禁じる方針を明らかにしました。

l  北海道や対馬における外国人による不動産購入を敵視する主張もありますが、日本でニュージーランドと同じことがすぐに起こるとは思いません。しかし、かぼちゃの馬車やTATERUで問題が露見し、オフィスビルの「2018年問題」が懸念される中で、都市部でも空き家化が進み、人口・世帯数が本格的に減少していけば、早晩、供給過剰が露呈するのは必至。ところが東京都は、タワマンの廃墟化問題を知りながら、容積率の大幅緩和を打ち出しました。足元の地価上昇に小躍りしない方が賢明というものです。
シカゴ, アメリカ合衆国, アメリカ, 米国, 市, 高層ビル, 海, 建物
【Timely Report】Vol.273(2018.10.23)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ