外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

タグ:クルーズ船

l  新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各地でゼノフォビア(外国人嫌悪)とレイシズムの広がりを招いています。米国や欧州では、かつての黄禍論を想起させるアジア人差別が横行しており、アジア系であるという理由だけで暴行を受けるというヘイトクライムも少なくありません。

l  日本も同じ。「感染者の3割が外国人」などといった誤った情報がTwitterで広まり、元々あった「国民健保タダ乗り論」を煽りました。在日外国人との交流施設である「川崎市ふれあい館」を爆破することを予告する年賀ハガキが送りつけられ、埼玉朝鮮初中級学校幼稚部に対するヘイトスピーチが昂ぶりを見せています。「中国人お断り」の張り紙を提示する商店が現れ、横浜市の老舗中華料理店には「出ていけ」と書かれた手紙が送りつけられました。クルーズ船のウイルス感染者を藤田医科大岡崎医療センターに受け入れた際、「外国人に税金を使うな」という抗議電話が愛知県庁に相次ぎました。

l  新型コロナウイルスは人種も国籍も選びません。しかし人々は、新型コロナウイルスを契機に、人種と国籍の間に分厚い「心の壁」を築いてしまいます。

【Timely Report】Vol.661(2020.5.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  「観光業の振興」は、「アベノミクス」における数少ない成功例です。高めの数値目標を掲げて、観光ビザを緩和し、クルーズ船を誘致して、地方の観光資源に光を当てるとともに、ホテルの建設ラッシュで関連業界を潤しました。歴代の産業政策の中でも出色の出来栄えですし、この成功がなかったら、安倍政権は窮地に追い込まれていたかもしれません。

l  ただし、本当の試練はこれから。弊害が目立つ京都を筆頭に、「観光公害」や「オーバーツーリズム」という指摘が、全国各地で沸き起こっていますが、これらに対する観光庁の対策は、観光客のマナー対策やポスターによる広報、先進事例の紹介等に限定されており、効果など見込めないお粗末な代物。

l  他の産業であれば、関係者は、商品やサービスを購入する人に限られますが、観光業は異なります。目に見えて恩恵に与る人と比べれば、目に見える被害を受ける人は大多数に及びます。したがって、恩恵に与る人たちが、先手を打って、被害を受ける人たちに配慮した建設的な対策を示していかなければ、海外よりも先鋭的な形で、排外的な運動が巻き起こる危険性があります。

【Timely Report】Vol.487(2019.9.10号)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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