外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ: 労働市場

l  自民党の外国人労働者等特別委員会は、6月23日に「提言」をとりまとめ、7月3日に、安倍総理大臣に提言書を手交しました。これを受けて、マスコミは、「特定技能の対象業種に、コンビニエンスストアや産業廃棄物処理を追加するよう求めた」と報じました。しかし、「提言」は、「コンビニエンスストア、運輸、産業廃棄物処理等の分野での外国人労働者の活用について更に議論を深め検討を行う」と記しただけであり、片山さつき委員長も、「業界・担当省庁の中で、人材確保のための努力を全部行ったが、人材がどうしても足りないので、万全の体制で受け入れるという所に至らなかったので継続審議にした」と公言。報道としては、「誤報に近い」と思われます。

l  気になったのは、留学生就職の部分。片山委員長は「特定活動等をうまく使って増やしていく」と総理に明言。「提言」も「本邦大学卒業生等を対象とした幅広い就労活動を認める『特定活動』の活用を促進する」と明記しています。「N1ビザ」の周知徹底に終わることなく、特例的に認めている「特定技能準備ビザ」の継続へと発展した場合には、とても大きな一歩になります。

Vol.696(2020.7.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  6月25日、米国務省は、「人身売買に関する年次報告書」において、技能実習制度の不備を指摘し、日本を1ランク格下げしました。「政府は、法外な手数料を徴収する海外の仲介業者の排除に向け、法的な義務であるはずのスクリーニングを十分に実施していない。そのため実習生は借金漬けでの来日を強いられる」などというコメントを見る限り、日本で読まれている記事をまとめて評価してみたら、「やっぱりダメだった」という感じでしょうか。

l  表層的な日本のマスコミでは、「技能実習生=被害者」という色眼鏡で書いた記事が圧倒的な大多数。「1割はババを引くが、9割は成功する。だから、実習生が増えている」と喝破しているジャーナリストも一部にいるのですが、「実習生は被害者だ」という大合唱の中で無視されています。

l  今回のコロナショックで露呈したのは、かなりの部分を技能実習生に頼っているという現実。人権派が唱える「かわいそうだ論」で現状が改善されることはなく、机上の空論で作り上げた「特定技能」では力不足。いまを好機と捉えて制度を再編すべきなのですが、その剛腕は入管には無さそうです。

Vol.695(2020.7.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  スリランカ人留学生の男性が、学費を滞納したことを理由に退学処分とされたことに対し、精神的苦痛を受けたとして日本語学校に慰謝料など254万円を求めて提訴しました。男性は2016年、同校を「母校」とするスリランカの日本語研修学校で「仕事は二つできる」「時給800円で月200時間稼げる」と説明を受け、留学を決意。現地での仲介手数料や1年分の学費60万円等のため150万円を借金で用立て、10月に来日し入校しました。

l  当初は弁当工場と運送会社を掛け持ちし、月20万円を稼ぎ、借金返済等のため10万円を母国に送金するだけでなく、2年目の学費として毎月3万円を支払っていましたが、就労制限を超えて働いていることを入管から指摘されて仕事が減り、4月以降は学費が払えない状態に。学校側は6月、前納分の学費の支払いが滞ったなどとして男性を退学処分にしたという事案です。

l  「偽装留学生」の実態の一端が表面化した典型例です。入管は「偽装難民」を一掃した後は、「偽装留学生」の撲滅に取り組むと見られており、留学生アルバイトに100%頼る経営は、今から考え直しておいた方がよさそうです。

l  2017年に外国人留学生が、日本国内での就職を目的に行った在留資格変更許可申請に対し、入管は、2万2419人を許可しました。2016年より2984人増えて過去最多となりましたが、許可率は2年連続で減少し、80.3%まで落ち込みました。2011年の93.9%と比べると13.6%ポイントの大幅下落。許可率低下の一因は、専門学校の留学生増加。専門学校の場合、学習内容と就職先での職務内容の関連性が重視され、厳しく審査されがちだからです。

l  じつは、学歴別にみると、大学・大学院の留学生卒業数(日本語学校卒業生のうち20%が就職志望と仮定)に対する許可数(前年卒に対する許可を含む)は48.0%で、政府の目標とされている50%超に迫る勢い。一方、専門学校の留学生卒業数に対する許可数は24.4%にすぎません。また、日本語学校卒で母国大学の学歴で申請した場合、専門学校と同じように専攻内容と職務内容の関連性を指摘される事例が少なくありません。

l  「特定技能」の議論も大事ですが、専門学校卒の留学生や母国で大学を卒業し日本語学校に留学した外国人の就職をどう考えるかも重要な課題です。
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【Timely Report】Vol.64(2017.12.11)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
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l  就職支援会社大手のディスコは、2018 年度に外国人留学生を「採用した」企業は予定を含めて全体の 34.1%、また2019 年度の採用を見込んでいる企業は 53.1%に上り、外国人の採用が着実に広がっていると指摘しました。

l  ただ、過去の調査を遡ると、「採用見込み」と答えた企業の割合は、2016年を境に反転(2010821.7%➡2011824.5%➡2013948.4%➡20141154.8%➡20151157.1%➡20161159.8%➡20171257.8%➡20181253.1%)。また、「採用した」と答えた企業の割合も2016年をピークに下がっているだけでなく、「採用見込み」と答えた企業の割合に遥かに届かないことがわかります(2010811.7%➡2011813.1%➡2013935.2%➡20141135.9%➡20151134.3%➡20161138.1%➡20171235.4%➡20181234.1%)。

l  要するに主要企業では、2社に1社が外国人留学生の雇用に興味を示し、実際に3社に1社が雇用し始めたものの、うまくいかずに躊躇しているというのが現実。マスコミ報道は吟味した上で経営に活かすべきです。
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【Timely Report】Vol.351(2019.2.21)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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l  今年2月、資生堂は、福岡県における新工場設立を発表。ライオンは香川県で(52年ぶり)、ユニ・チャームは福岡県で(26年ぶり)、日清食品は滋賀県で(22年ぶり)、各々新工場を稼働する予定です。このように大企業の一部で製造拠点を国内に回帰させていることを以て、「Made in Japan」というブランド価値が復興しているというノスタルジックな記事が散見されるようになりました。日本の「匠の精神」が再評価されているというのです。

l  しかし内実を覗くと、「Made in Japan」であっても、「Made by Japanese」でない場合も。苛酷な環境の中で就労する技能実習生に支えられている現場も少なくありません。冷凍食品や缶詰を手掛けるマルハニチロでは、技能実習生229人が工場の製造ライン等で働いており、繊維大手の東洋紡の富山工場では作業員の1割が技能実習生。このような状況下で、不適切な検査や管理データの改竄などが報じられるのですから心許ない限り。ワコールは委託先調査を実施しましたが、資生堂の工場において、技能実習生・偽装請負・外国人派遣が活用されていないことを心から祈ります。

【Timely Report】Vol.395(2019.4.23)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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ゴーン逮捕は外国人排斥か?」も参考になります。

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