外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ:企業経営 > マネジメント

l  平成時代、日本の国際的地位は一貫して低下しました。GDPの規模で言えば、当初、中国は取るに足らない存在でしたが、2010年に日本に追いつき、今では2倍近い規模になりました。日本の1人あたりのGDPは米国より高く、生活も豊かでしたが、あっという間に逆転され、かなり差がつきました。

l  ところが、未だに日本人は「日本は経済大国であり、日本人は優れている」という思い込みから抜け出せていません。残業の上限規制を導入し、GW10連休にしました。「働き方改革」ならぬ「働くな改革」が進行中です。そんな余裕が日本にあるのでしょうか。ハードワーキングでない日本人が、欧米やアジアの天才たちと伍していけるのでしょうか。現状のままでは、日本と世界の差はさらに開いていくことになると思います。

l  「水面を優雅に浮かぶ白鳥も水面下では必死に足をもがいている」という喩えは、事実に反しているという説が有力ですが、ビジネスにおいて、「同じ場所に留まるためには一生懸命に走らなければならない」というのは事実。実態を踏まえない「働くな改革」の戯言に乗せられてはいけないと思います。

【Timely Report】Vol.437(2019.6.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  建設労働者にIDカードを保有させ、就労データを管理する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の運用が始まりました。外国人にはCCUSの加入が義務付けられましたが、CCUSは、外国人のためのものではありません。元々は、技能を「見える化」することによって、技能に応じた賃金を保障することを通じて、建設労働者全体の処遇を改善するための仕掛けでした。

l  処遇が改善されない原因の一つは、日給ベースで計算し、稼働日数によって月給が変動する「日給月給制」。「特定技能」の外国人は、日本人と同等以上で「月給制」が義務付けられているので、「特定技能」を突破口にして、日本人労働者の処遇を改善したいという国交省の深謀遠慮が窺えます。その一方、業界が猛反発したため、CCUSでは現場入場の有無はわかりますが、入退場の時刻が記録されないため、残業代が計算できない仕組みになっています。

l  マスコミでは、「可哀そうな外国人」の話ばかりが掲載されますが、その背後には「可哀そうな日本人」がいるのかもしれません。外国人の問題として語られることの多くは、じつは日本人の問題でもあるのです。

【Timely Report】Vol.435(2019.6.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  201810月末時点の外国人労働者数が146万人となり、この10年間で約3倍に増え、外国人比率も2%を超えましたが、オフィスで一緒に働いているという企業は、まだ少数派かもしれません。外国人労働者が、工場などの現場ではなく、日本人と同じように職場で働くようになると、従来の日本人向けの業務運営では立ち行かなくなることが実感できるようになります。

l  外国人労働者の育成に携わった日本人の8割以上が「苦労した」と回答した調査があります。その理由を見ると、「コミュニケーションが取りづらかった」(51.8%)、「口頭での指示が正しく伝わらなかった」(46.7%)が上位を占め、「生活習慣や文化の違いに戸惑った」「時間に対してルーズだった」との回答が多かったようですが、これは、アルバイトの育成レベルの話です。

l  作業を教え込むことが中心となる現場とは異なり、将来の管理職候補として、会社のミッションを共有し、経営方針を理解させ、社内の仕組みを熟知させて、自分で判断できる人材に育てようと苦労していたら、「コミュニケーション」などという薄っぺらい回答にはならないはずです。

【Timely Report】Vol.420(2019.6.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
留学生アルバイトは激減する?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  92歳にして政権に復帰したマレーシアのマハティール首相は、「ルックイースト政策(日本に学べ)」を再度提唱し、「物事に失敗した時に恥ずかしい、忸怩たる思いだと感じることは日本人の中に染みこんでいる。そして期待や信頼に応えるためにさらに一生懸命の努力を重ねる。こうした美徳をマレーシア人が見習うことこそが成功への道である」と力説しました。

l  「最近の日本人社員は転勤を嫌がり、アルバイトよりもやる気がない」とか「アルバイトはバイトテロを起こす」という事実を知ったら、マハティール首相は絶句するかもしれません。「期待や信頼に応えるために一生懸命の努力を重ねる」という日本人の美徳は、かなり薄らいでいるような気がします。かつて圧倒的多数の日本人が共感したNHKの「プロジェクトX」は、今風に言えば「ブラックの塊」でしょうし、世界中に感動を与えた朝の連続TV小説「おしん」も再放送されたら、日本国内では「人権侵害の物語」として酷評されるような気がします。果たして日本人は、「期待や信頼に応えるために一生懸命の努力を重ねる」という美徳を今も持っているのでしょうか。

【Timely Report】Vol.418(2019.6.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  2025年に介護職が34万人不足するため、「特定活動(EPA)」「介護」「技能実習」という在留資格に加えて、「特定技能」が新設されます。「技能実習(介護)」では、9割のEPA受入施設が日本語能力試験N3以上を求めたことを受け、「入国時N4・1年以内N3」という基準を定めましたが、これが大不評。ベトナム政府は「日本に行っても1年で帰国となると社会問題になる」として消極的。人手が集まらない現場は「言葉が通じなくても行動で示してくれればいい」「大切なのは心だ」として、日本語基準の緩和を求め始めました。政府は、N3に到達できなくても、引き続き在留できる仕組みを検討。元々、「特定技能」は、技能実習修了者の日本語試験を免除する方針です。

l  しかし、日本で生活するなら日本語は必須。大過なく外国人を受け入れていくためにも、一定の日本語力は不可欠であり、日本語学習を支援する政策が大切です。厳しいかもしれませんが、長い目で見れば、「N3」というハードルを下げるべきではありません。一定水準の日本語力を持っているのに帰国している留学生の就労支援を拡充する方が先決だと思います。
ようこそ, 単語, ご挨拶, 言語, 通信, タイポグラフィ, 書き込み
【Timely Report】Vol.259(2018.10.2)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「「外国人庁」が必要です!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

↑このページのトップヘ