外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ:労働市場 > 人手不足

l  厚生労働大臣を務めた自由民主党の田村憲久衆議院議員が、4月下旬のテレビ番組で、「今後、日本に来る外国人はますます増える。貴重な労働力として受け入れることを考える時期に来ている」と述べたことが報道されました。

l  ところが、田村議員の発言の詳細を確認してみると、「毎年30万人、40万人、人口がこれから自然減なんですよね。生まれる数と亡くなる数を見ていくと。それをどれだけ外国人でカバーするか、全員その方々を『移民』という形、『永住権』でカバーするというのはナンセンスだと思う。日本人が就かなくなった、または人が足らないという分野に関しては管理をする中で一定期間で帰っていただくという形で回していく方が文化の軋轢があるとかいろんなことは起こらないのではないか」という内容で、今回政府が企画しようとしている「特定技能」という案を暗に支援するものでした。

l  極めて厳しい人口減少問題や課題が山積する外国人就労問題を、短期労働者の「使い回し」の発想で対応できると考えているという政策センスには心底がっかりしますが、これが、現時点における日本国の限界なのでしょう。
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【Timely Report】Vol.161(2018.5.16)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  人手不足が深刻化しています。この5年間で求人数は25%増えましたが、求職者は25%減りました。飲食店ではランチをやめたり、開店時間を短縮したり、閉店したりする例が目立ちます。昨年におけるコンビニの休廃業・解散・倒産は206件で最多記録を更新しました。賃上げをしても、その分を価格に転嫁できないため、人手不足が景況感にも影を落とし始めています。

l  もはや日本人の若者には期待できません。ある工務店の経営者は、「ウチみたいな10人以下の工務店って、ドロップアウトしたヤツの受け皿として若いのが入ってきていた。でも、今はそもそもドロップアウトするほど元気なヤツがいないんだよね」「オレらの時代と違って、今の若いヤツにむちゃは言えない。昔は『親方が働いてるならオレも!』なんて時代だったけど、今は『親方がやっといてくれるからオレは帰ろう』だもんな」「現場で『バカヤロー!』って叱ったら、翌日から来なくなっちゃうからさ」などと心の内を明かします。「このままだと人手不足に殺される」と嘆く、この経営者の心情に心の底から同感する方が増えているような気がします。
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【Timely Report】Vol.160(2018.5.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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l  空前絶後の「人手不足」の状況下、安倍政権は、高齢者と女性の社会進出を促すことで、「働き盛り世代」の人口減少のマイナスを相殺しようとしています。事実として、高齢者に関しては、定年や再雇用で収入が減る「60歳の崖」を緩やかにする動きが広がってきました。安倍首相が施政方針演説で「女性が輝く日本」を創ると明言したのは20132月ですが、女性就業者が2859万人に上るなど、働く女性は5年間で200万人増えました。子育て期に就業率が下がる「M字カーブ」現象も解消されつつあります。

l  ただし、企業の女性管理職比率は12.1%、役員比率は3.7%であり、女性の活躍は限定的。じつは、日本の大卒女性就業率は74%OECD加盟35カ国中29位。英エコノミスト誌が発表した「女性の昇格に関するランキング」でも日本は主要29カ国中28位であり、韓国と最下位を争っています。日本は、「定年」という他国にない「年齢差別」を制度化しているだけでなく、女性管理職が極めて少ないなど「性差別」も明らか。そういう国に外国人社員に対して「国籍差別」するなと説くほうが「非常識」なのかもしれません。
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【Timely Report】Vol.131(2018.3.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  政府は、新在留資格「特定技能」で受け入れる外国人労働者数は、2019年度に最大4.8万人になると試算しています。実際、ロイターの調査では、77%の企業が「特定技能」の新設を「歓迎する」という結果が出ました。日刊工業新聞社のアンケートでも、外国人労働者の受け入れに62.1%が「賛成」し、「特定技能」にも51.7%と過半数が賛成しています。ところが、北海道では、約7割が外国人労働者を雇用する考えがないという調査結果が出ており、日本語能力(69%)、労働習慣、文化の違い(57%)、受け入れ体制の不備(56%)などが不安要素として挙げられました。京都市のアンケートでも、「雇用していないし、検討もしていない」とした中小企業が75.9%に上りました。

l  じつは、マイナビの調査では、大手企業ですら、外国人留学生を採用する先は1割程度。現場の受け入れ体制が整っていない(43.8%)、外国人が活躍できる環境が整っていない(43.2%)、母国語レベルの日本語能力を求めている(24.7%)、ビザの申請など手続きが困難(14.6%)と洩らしています。法律さえ改正すれば、現状が改善されるわけではないのです。
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【Timely Report】Vol.312(2018.12.18)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  今年1月1日現在の日本人の人口は、前年より37万人少ない12521万人でした。人口減少は9年連続で減少幅は過去最大。人口37万人と言えば、長野市・豊橋市・高崎市とほぼ同じですから、この規模の都市が1年で消滅するインパクト。さらにショッキングなのが出生数。昨年よりもさらに減少して95万人。1971年の日本では年間200万人が生まれていましたから、この50年弱で半分以下になっています。出生数半減という「悲惨な現実」を見れば、放置して何とかなる状況とは思われません。

l  日本人の人口減のインパクトを和らげているのが外国人。前年比17万人増の250万人となり、過去最多を更新しました。若い世代が多く、20歳代は75万人と同年代の日本の総人口の5.8%を占めています。東京都では20歳代の10人に1人が外国人。少なからぬ企業の現場は、外国人がいないと回りません。外国人比率は1.96%と過去最高になりましたが、世界平均の3.4%と比べれば半分程度の水準であり、お隣の韓国(2.3%)よりも低水準。子供が半減した国が「外国人による支援」を必要としていることは明らかです。
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【Timely Report】Vol.215(2018.8.1)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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