外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ:労働市場 > 人手不足

l  無責任な経済学者やエコノミストは、未だに「人手不足は賃上げすれば解決する」と主張していますが、経営の現場には、「量(労働量)」と「価格(賃金)」以外にも大事な変数があります。それは「質(サービスの品質)」です。

l  建設現場がわかりやすい事例です。建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、2017年には498万人と3割弱も減少。恒常的な人手不足に見舞われています。レオパレス21のアパートでは屋根裏の界壁がないことで世間を賑わし、ダイワハウスでも約2000棟の施工不良問題が発覚しましたが、これらは特殊な例外ではありません。人手不足のため、1人の現場監督が2桁を超える現場を担当している中、工事に忘れや雑な個所が目立つようになり、工事の不具合や不手際が年中発生するようになっただけでなく、建設現場における死亡事故も増えています。業界関係者は、「最近2年間に建てられた物件は買うな」と身内には囁いています。

l  人手不足は質の低下・劣化を生み、将来のリスクを膨張させ、競争力を減殺していきます。単に「価格(賃金)」だけで解決する問題ではないのです。


【Timely Report】Vol.450(2019.7.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
アベノミクスには期待できない!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  改正入管法を巡る昨秋の臨時国会は、最悪の凡戦でした。移民なのに「移民ではない」と言い張る与党が「筋金入りの嘘つき」ならば、ヒドイ事例ばかりあげつらって揚げ足取りに専念する野党は「批判ばかりの毒舌家」。「ウソつき」と「毒舌家」の争いに呆れ果てたというのが経営者たちの本音だと思います。どのような主張を展開するにせよ、議論の土台は、現実を素直に直視すること。よく言われるコンビニだけでなく、私たちの生活は、農業、漁業、工場などのあらゆる分野で外国人に支えてもらっています。「技能実習は悪質だ」とか「偽装留学は廃止すべきだ」などと批判する前に、在留外国人の貢献に対して素直に感謝することからスタートすべきです。

l  そういう議論になっていたら、移民であるか否かにかかわらず、在留している外国人に対するケアや基本的人権の保護が必要だという至極当たり前のことに合意できたはず。本来、野党は、揚げ足取りではなく、共生を前提とする外国人労働法や外国人基本法の制定を与党に突き付けて、国自らの関与やインフラ整備を要求すべきでした。今からでも決して遅くはありません。

 【Timely Report】Vol.388(2019.4.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
人手不足で企業が殺される!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
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l  厚生労働大臣を務めた自由民主党の田村憲久衆議院議員が、4月下旬のテレビ番組で、「今後、日本に来る外国人はますます増える。貴重な労働力として受け入れることを考える時期に来ている」と述べたことが報道されました。

l  ところが、田村議員の発言の詳細を確認してみると、「毎年30万人、40万人、人口がこれから自然減なんですよね。生まれる数と亡くなる数を見ていくと。それをどれだけ外国人でカバーするか、全員その方々を『移民』という形、『永住権』でカバーするというのはナンセンスだと思う。日本人が就かなくなった、または人が足らないという分野に関しては管理をする中で一定期間で帰っていただくという形で回していく方が文化の軋轢があるとかいろんなことは起こらないのではないか」という内容で、今回政府が企画しようとしている「特定技能」という案を暗に支援するものでした。

l  極めて厳しい人口減少問題や課題が山積する外国人就労問題を、短期労働者の「使い回し」の発想で対応できると考えているという政策センスには心底がっかりしますが、これが、現時点における日本国の限界なのでしょう。
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【Timely Report】Vol.161(2018.5.16)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  人手不足が深刻化しています。この5年間で求人数は25%増えましたが、求職者は25%減りました。飲食店ではランチをやめたり、開店時間を短縮したり、閉店したりする例が目立ちます。昨年におけるコンビニの休廃業・解散・倒産は206件で最多記録を更新しました。賃上げをしても、その分を価格に転嫁できないため、人手不足が景況感にも影を落とし始めています。

l  もはや日本人の若者には期待できません。ある工務店の経営者は、「ウチみたいな10人以下の工務店って、ドロップアウトしたヤツの受け皿として若いのが入ってきていた。でも、今はそもそもドロップアウトするほど元気なヤツがいないんだよね」「オレらの時代と違って、今の若いヤツにむちゃは言えない。昔は『親方が働いてるならオレも!』なんて時代だったけど、今は『親方がやっといてくれるからオレは帰ろう』だもんな」「現場で『バカヤロー!』って叱ったら、翌日から来なくなっちゃうからさ」などと心の内を明かします。「このままだと人手不足に殺される」と嘆く、この経営者の心情に心の底から同感する方が増えているような気がします。
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【Timely Report】Vol.160(2018.5.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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l  空前絶後の「人手不足」の状況下、安倍政権は、高齢者と女性の社会進出を促すことで、「働き盛り世代」の人口減少のマイナスを相殺しようとしています。事実として、高齢者に関しては、定年や再雇用で収入が減る「60歳の崖」を緩やかにする動きが広がってきました。安倍首相が施政方針演説で「女性が輝く日本」を創ると明言したのは20132月ですが、女性就業者が2859万人に上るなど、働く女性は5年間で200万人増えました。子育て期に就業率が下がる「M字カーブ」現象も解消されつつあります。

l  ただし、企業の女性管理職比率は12.1%、役員比率は3.7%であり、女性の活躍は限定的。じつは、日本の大卒女性就業率は74%OECD加盟35カ国中29位。英エコノミスト誌が発表した「女性の昇格に関するランキング」でも日本は主要29カ国中28位であり、韓国と最下位を争っています。日本は、「定年」という他国にない「年齢差別」を制度化しているだけでなく、女性管理職が極めて少ないなど「性差別」も明らか。そういう国に外国人社員に対して「国籍差別」するなと説くほうが「非常識」なのかもしれません。
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【Timely Report】Vol.131(2018.3.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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老人大国に未来はある?」も参考になります。

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