外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ:日本経済 > 景気・将来

l  9月の日銀短観で大企業の業況判断指数が悪化しました。製造業は3期連続の悪化でリーマン・ショックの影響が響いた2009年3月(6期連続)以来の低迷。非製造業も、訪日外国人客の減少が響き、2年ぶりに悪化に転じました。無論、楽観的に見れば、日米の貿易摩擦はひとまず小康状態。原材料高は世界景気の好調による需給逼迫の反映と見れば、「凶」ではありません。台風や地震による悪影響も一過性でしょうから、円安が進めばプラス面が多く、「心配する必要はない」という見方もできます。実際、市場では2012年12月から6年近くに及ぶ景気拡大が当面続き、来年1月に戦後最長となるとの予測が大勢で、株価も年初来の高値圏内にあります。

l  しかし、意識調査結果において「子供の将来を楽観視している」と回答した日本の親が28%(平均60%)と調査対象29ヶ国中最低を記録したことに示されているように、「明るい日本の将来が描けない」ために内需が盛り上がりません。内需が弱いので景気拡大の強い循環が起動しないのです。2020年を待たずに景気が後退するという懸念が杞憂に終わればよいのですが・・・。
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【Timely Report】Vol.263(2018.10.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2018年の「人手不足倒産」は、前年比22.0%増の387件と最多記録を更新しました。そんな中、マクロの景気指標も陰り始めました。昨年12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門が揃って悪化し、全体の景況感が2017年3月以来の低水準に低下。日銀が実施した「生活意識に関するアンケート調査」でも、個人の景況感DIは▲32.0と、6年ぶりの低水準で、アベノミクスが始動する直前の水準にまで落ち込んでいます。

l  昨年12月に発表された日銀短観では、3カ月先の「業況判断DI」が現状よりもかなり悪化する見通しになっている中、帝国データバンクの調査でも、「回復局面」と判断する企業が激減する一方、「悪化局面」と指摘した企業が倍増する勢いであることが明らかになりました。景気の懸念材料としては、「消費税制」「人手不足」「原油・素材価格の上昇」が指摘されています。

l  昨年7~9月期のGDPも大きく下振れしたなど、景気の先行きには赤信号が灯っています。根拠なき楽観論に踊らされることなく、「景気後退局面に入った」と腹を括って、会社を運営する必要がありそうです。
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【Timely Report】Vol.336(2019.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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1.       訪日中国人客を相手に無許可でタクシー営業をしたとして、中国籍の男3人が道路運送法違反(無許可一般旅客自動車運送事業経営)の疑いで逮捕されました。空港や観光地で訪日外国人客を相手にする「中国式白タク」に関する本格的な逮捕です。警察は、容疑者らの車が多くの荷物を持つ訪日客を乗せて関空と大阪市内を何度も行き来するのを確認し、白タクとして営業していると判断しました。国土交通相の許可を得ずに、有料で7回にわたって関西空港から大阪市内等に約40人を運送したといいます。中国語の配車アプリを介して、訪日客からの依頼を受けて営業していた「白タク」は、関空から大阪市内の片道料金を格安の13000円に設定していたようです。

2.       前例として報道されている沖縄での逮捕は、資格外活動を根拠に、入国管理法違反で逮捕して取調べを行った上で、違法の「白タク」行為を立件したものでしたが、今回は、道路運送法違反に基づく逮捕であり、警察の意気込みを感じさせます。2020年に向けて、「白タク」「違法民泊」「闇ガイド」という違法行為は、徹底的な取締りの対象になっていくと予想されます。
タクシー タクシー, トラフィック, タクシー, ニューヨーク, 通り, 道路
【Timely Report】Vol.52(2017.11.17)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  あけましておめでとうございます。2019年の年初でもありますので、本稿においては、日本経済が今年直面する課題について記述することにします。

l  日本経済は、現在、「人手不足(就業者不足)」「人口減(消費者不足・労働者不足)」「後継者難(経営者不足)」という三重苦に見舞われています。そして、経営者たちは、そのような困難な状況の中で、「毎年40万人の人口減=ひとつの県が消失するのと同等のマイナスインパクト」が襲い掛かるという試練に必死で耐えています。こういう状況下で、楽観的に「人手不足賃金上昇価格上昇売上増大」というシナリオを描く経営者は圧倒的に少数派です。だから、経営者は守りに徹することになります。

l  経営者が守りに徹すれば、賃金はなかなか上がりませんから、就労者(=消費者)も守りに徹せざるを得ません。そして、消費者(=就労者)が守りに徹すれば、「価格上昇➡売上増大」という戦略は失敗に終わる可能性が高くなります。そうなれば、ますます経営者は守りを固めます。だから、人手不足に苦しんでいるほとんどの経営者は、調節弁であるアルバイトの賃金を引き上げたとしても、正社員の賃金上昇に対しては慎重に対処しているのです。そして残念ながら、現時点においては、日本経済における「労働力不足」は危機的な様相を示しており、放置すれば、さらに悪化することが明白です。放置することにより改善されたり、自然に解決することはありません。

l  「労働削減=善」という完全に誤った思想に突き動かされた現在の経済政策は、「経済メカニズム」の機能を無視して、人工的な『ヒト不足』を演出し、その不足度合いをさらに加速しようとしています。2018年は、その悪影響が表面化した年でした。一刻も早く「労働力不足」に対する是正策を講じなければ、日本経済に少なからぬダメージをもたらしていくことでしょう。

l  この点、さすがに、国家運営の経験が長い自民党は、外国人嫌いの保守派を大量に抱えつつも、「外国人受け入れ政策」を提示し、「入管政策の大転換」に踏み込もうとしています。「絶対に移民政策はとらない」と明言していた安倍首相すら取り込んで、国家に必要な政策を推進しようとする姿には、野党との「器」の違いを感じさせられます。しかし、それだけで、日本経済を取り巻く諸問題が立ちどころに解決するわけではありません。というのは、「労働力不足」の問題に加えて、「労働力劣化」という悩ましい問題が発生してくるからです。本稿では、その問題を解きほぐしていくことにします。

l  まずは、表面的に表れている日本経済の現状を、諸統計で確認しましょう。201810月の完全失業率は2.4%(季節調整なし:2.7%)であり、有効求人倍率は1.66倍(季節調整なし:前年同月1.58)という高水準を記録しています。したがって、議論の余地がないほど、経営者や雇用者たちは「人手不足」で危機に陥っています。正社員の有効求人倍率も1.15倍(201810月)と1倍を超える水準を続けています(前年同月1.06倍)が、月間における正社員の充足率は、20社に1社(5.0%)程度しかありません。

l  一方、需要動向を見ると、201879月のGDPは、5年半ぶりに前年を下回りました(前年比▲0.3%)。国内市場の大きさを示す「民間最終消費支出(名目・持ち家の帰属家賃を除く)」の前年比が+1.4%程度しかない状況下で、民間住宅が前年比▲5.2%と落ち込んだのが大きく響きました。「民間最終消費支出(名目・持ち家の帰属家賃を除く)」の前年比の推移を辿ると、国内市場は、底割れこそしていないものの、活況を呈しているわけでないことが確認できます(201779月+1.0%➡1012月+1.9% ➡ 201813月+1.2% ➡ 46月+0.3%➡79月+1.4%)。リフレ派の論者たちは、「物価が上がれば景気は良くなる」と未だに唱え続け、「台風の影響で封鎖された関西国際空港からの輸出減といった特殊要因が重なった」「自然災害により、一時的に個人消費が押し下げられた」などと一時的な要因をあげつらっていますが、どう見ても、この1年間が、経営者や雇用者が、ポジティブにワクワクドキドキする経済環境でなかったことは明らかです。

l  ここで労働市場の現状に目を転じると、201810月の就業者数は6725万人(前年比+2.2%)に達し、既往最高を記録した同年5月(6698万人)を、前月の9月(6715万人)に続いて超えました。20185月に超えるまでの既往ピークは、6679万人(19976月)でしたから、国全体として「就労可能な日本人の労働化率」を大幅に高めてきたことが確認できます。ちなみに、生産年齢人口に対する就業者数の比率をみると、19976月が76.8%に過ぎなかったのに、201810月には89.1%の高水準に達しました。無論、この比率が90%を超えていくことを想定することは絶対に不可能ということではありませんが、生産年齢人口が減少していくことが明白な中で、「日本人の枠内」だけで、「労働力不足」に対処することが極めて困難であることだけは明らかです。その意味で、今回、自民党が、「拙速」という批判を受けながらも、「外国人受け入れ政策」の実施を決心したことは、さすがに長年日本という国を運営してきた政党だけのことはあります。

l  しかし、安倍政権における経済政策ブレーンたちの力量は心配です。いまだに、「物価が上がれば、景気が良くなる」とか「労働時間を減らせば、労働生産性は向上する」という邪教に侵されたままで政策を設計していますから、政策効果が、日本経済を悪化させている要因を改善する方向に効きません。政策効果は、まず以て、正確な経済の現状分析に立脚します。現状を正確に診断できなければ、その処方箋が患者に効かないことはもとより、最悪の場合には病を悪化させてしまうでしょう。2019年は、「働き方改革」(韓国の事例をみれば劇薬です:後述)や消費税増税の対処(本当は延期すべき)を誤ると、病は悪化します。昨年11月末に、国際通貨基金(IMF)は、日本の経済情勢を分析する報告書を公表し、「日本は人口減によって、今後40年で実質国内総生産(GDP)が25%以上減少しかねない」という警告を発しました。人口減による需要減と供給力の低下は、それだけの破壊力を秘めているのです。2019年にそのマイナス面が表面化しないことを切に祈ります。

l  上記のように課題満載の経済情勢の下で、多くの経営者や雇用主の主たる関心は、「売上拡大」や「新規市場への進出」という攻めの一手ではなく、「円滑な採用」「離職の抑止」「雇用トラブルの回避」という守りの諸施策に向かっており、「安定的で健全な人手の確保」という「生き残る企業であるための不可欠な経営基盤」のディフェンスに費用と時間を割き、雇用問題に日々心を砕かざるを得ない環境に置かれています。デフレ経済に慣れてしまった消費者が値上げに「NO」と言い続ける中で、経営判断としての値上げは極めて困難であり自殺行為です。国内市場にしか拠る術がない国内企業においては、賃金上昇のコストアップが企業体力を着実に蝕んでいます。多くの日本企業は、「受注はあるのに残業は増やせない」「募集をかけても日本人は来ない」「末端価格が上がらない中での単価引き上げは難しい」という困難の中で追い込まれているため、目に見えて「人手不足倒産」が増えてきました。

l  東京商工リサーチによれば、2018年度上半期(49月)における「人手不足」関連の倒産(219件)が前年同期比52.0%増と大きく増え、「求人難」型が前年同期の16件から35件と倍増しました。また、帝国データバンクの調査でも、2018年度上半期(49月)における人手不足倒産の件数は76件で、前年同期比40.7%22件)増であり、「高待遇での従業員確保が困難な小規模企業を中心に『人手不足倒産』のさらなる増加が懸念される」とも予測されています。また、マイナス金利の影響で業績悪化が著しい地銀が取引先支援を打ち切り、息切れ倒産が増えるのではないかとも噂されています。

l  東北・関東地方で貨物自動車運送をしていたサンワ物流は、自社トラックでビール、飲料品などの搬送をし、20099月期で年間約4億円の収入がありましたが、求人を出してもドライバーが集まらない状況が続き、ドライバー不足で受注を見合わせるケースが相次ぎ、業績が落ち込んで倒産。堺市堺区で高齢者の介護、福祉事業を営んでいた社会福祉法人美亘会は、2015年度で7,430人のデイサービス利用者、6,452人のヘルパー利用者を抱えていたのですが、介護職員らの入れ替わりが激しく、慢性的な人手不足と人件費増などで赤字経営に陥って破綻。北海道で23の介護施設などを運営していたほくおうサービスとグループ4社は、20163月期で約276,800万円の売り上げがありましたが、介護報酬の引き下げや人手不足による人件費高騰が経営を圧迫し、身売りに追い込まれました。今後も同様の破綻事例が日本全国で発生する可能性が否定できません。

l  「安い・早い・うまい」で業界を先導してき吉野家ホールディングスも、201838月期連結決算で、最終損益が8期ぶりに赤字(▲8.5億円:前年同期+13億円)になりました。主力の牛丼店「吉野家」は増収を確保しましたが、人手不足を背景にした人件費高騰が響きました。20192月期通期でも最終損益は▲11億円の赤字(前期は+15億円)の見込みです。38月期の売上高は、メニュー改善や家族層への値引きなどのキャンペーンが奏功し、前年比3%増で初の1000億円台に達したほか、既存店売上高も4%増えるなど、販売面は比較的好調でした。しかし、肉やコメなどの食材価格が上昇し、原材料費を含む売上原価は359億円と+6%増に。人件費などを含む販管費の負担が重く、営業利益は5500万円にとどまり、▲97%減と大幅に落ち込みます。採用や教育、既存従業員の残業代など人件費が膨らみ、販管費は643億円と5%増加した上に、不採算店舗の閉鎖などに伴う特別損失を計上したため、最終赤字になったといいます。

l  これが、吉野家という個別企業の問題に収まるのであれば、市場では優勝劣敗が必定ですから、その分誰かが勝者になるだけなので、経済全体としては問題ありません。問題は、本当に個別企業の問題にとどまるのかという点です。財務省が発表した7~9月における日本企業の経常利益は、前年比+2.2%の182847億円となり、この時期としては過去最高を記録しましたが、日本国内に利益機会を見出せないための投資・経費削減によるものという側面が否定できません。実際、日本企業の設備投資は、エコノミストたちの予想を裏切り、伸び悩みの段階から低迷局面へと突入しています。

l  例えば、人手不足が常態化する中、リクルートなどの大手企業だけを見て、人材関連業界は活況だと勘違いしている人もいますが、労働者派遣業者では人手不足で倒産が増え、小規模事業者を中心に淘汰の動きが進んでいます。帝国データバンクの調査によると、2018年の110月までに発生した労働者派遣業の倒産件数は、前年同期比8.0%増の54件で、前年を上回るペースで推移しています。このペースで推移すると、2013年以来3年ぶりに前年を上回る可能性が出てきました。企業は人手不足感を強めており、労働派遣業に対する需要が高まっていますが、労働者派遣事業者では、法改正の影響に加え、派遣スタッフの不足からコストが増加しており、中小・零細事業者を中心に倒産件数が増加しているのです。

l  経営者たちは、こうした厳しい日常と日々対峙していますから、政策当局者たちが思い描いている「人手不足➡賃金上昇➡価格上昇➡売上増大」という針路ではなく、「人手不足➡拡大抑制➡賃金抑制➡縮小均衡」という「まずはとにかく生き残る」ことを優先した経営戦略に傾斜しています。その傾向は2018年よりも強くなってきました。つまり、成長を追い求める「売上増大」ではなく、生き残るための「粗利増大」を選択しているのです。そして、経営者が「売上増大」ではなく、「粗利増大」を優先すれば、コストのうちの大きな部分を占める賃金に対して、抑制的に臨むというのは至極当たり前の経営戦略になります。「人手不足なのに賃金が上がらないのは謎」という学者たちは、「経営戦略」とか「企業経営」とか「経営者心理」というものがまるきりわかっていないというだけのことなのです。

l  それにもかかわらず、一部の経済学者やマスコミは、経営の実態を無視して、今回の「外国人受け入れ政策」に関しても、深刻な「労働者不足」に陥っている現状を称賛し、「人口減少と高齢化は経済の停滞を運命づけるものではない。むしろ場合によっては、人口減少や高齢化が経済を活性化する可能性すらある」とか、「成長は1人当たりGDPの拡大による。その1人当たりGDPは、イノベーションで伸びる。供給側の事情を見ても、行き詰まっている社会の方が、イノベーションの動機は大きくなる」「労働力不足になると、飲食店が自動食器洗い機を買うようになる。そうした流れが加速すれば、最新の皿洗い技術が広く使われるようになる。そうした投資が行われれば日本経済の生産性は大幅に向上する」などと主張し、人手不足になると省力化投資が起こり、労働生産性が上がるから日本経済は成長すると発言しながら、外国人労働者の受け入れに反対しています。

l  それだけではなく、最近では、「外国人労働者を入れると、低賃金労働者を前提とするビジネスモデルが変革しないから反対」とか、「経営者が極限まで追いつめられれば、生産性向上の道が開ける」という勇ましい声まで聞かれるようになりました。こういう机上の空論で無責任な論説を垂れ流す輩には呆れるほかありません。彼らが唱えている理論が正しいのであれば、限界集落や過疎の村、人口が長期減少している田舎では、省力化投資が進んで労働生産性が向上しているはずですが、そんな話は聞いたことがありません。琵琶湖に浮かぶ沖島では、30年前520人だった人口が現在は250人と半減しました。人手不足が技術革新や生産性向上やビジネスモデルの変革を産み出すのであれば、沖島は「日本のシリコンバレー」になっているはず。しかし、ゴミ処理にすら立ち往生しているのが現状です。

l  客観的に企業行動を観察しましょう。アートネイチャーは、2017年にカンボジアのかつら縫製工場を香港企業に売却しました。新設からわずか3年の決断です。方針転換した要因の一つが人件費の上昇でした。カンボジアでは、輸出品の6割を縫製業が占めており、日本企業の進出も続いています。そんな中、縫製業や製靴業に適用する2018年の最低賃金は前年比11.1%増の月170ドル(約19千円)になり、2012年の3倍近くに上がりました。フン・セン首相は去年3月、2023年までに最低賃金を月250ドルに上げると表明しています。これが撤退の理由でした。要するに、労働者の生産性向上を伴わなければ、賃金の上昇は、ビジネスモデルの革新を招くことなく、企業の撤退を招くという結果になりがちなのです。想像してみてください。ただでさえ、人手不足で難儀している「日本」という地域で、工場新設などの新規投資をしようと思う経営者はいるでしょうか。いるはずがありません。

l  つまり、ビジネスモデルを大きく変革するためには、対象とする市場が今後大きく成長するので投資に見合うという強い期待があること、新しいビジネスモデルに見合った一段上の生産性のレベルに労働者が成長する見込みがあること、その投資を行う場所としてその地が最適であること、という3つの条件が必要です。これらの条件が揃わなければ、経営者がその地域でビジネスモデルを革新することはありません。その地域でのビジネスを縮小するか撤退するだけです。そして、日本の経営者たちのマインドは「縮小」に向かっています。人口減少が進む「日本列島」は、世界から見れば「沖島」のようなもの。無責任な論者たちには、全員、沖島か過疎の村に移住してもらい、起業していただいて、村や島の経済の復興を託したいものです。
クラッシュ, 統計情報, チャート, グラフィック, バー, シンボル, 矢印
【Timely Report】Vol.320(2019.1.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2018年は、「労働者不足」の事実が表面化した年でした。経営者たちは人口が毎年40万人減るという逆風の中で守りに徹しています。経営者が守りに徹すれば、賃金や待遇が大幅に改善されることはありませんから、就労者も守りに徹します。そして、就労者=消費者が守りに徹すれば、値上げを織り込んだ戦略は失敗に終わります。そうなれば、ますます経営者は守りを固めます。そういう中で「人手不足倒産」が増加してきました。この膠着状態を打破しなければ、日本経済は完全復活を遂げません。そこで、安倍政権は、様々な批判をものともせず、「外国人受け入れ政策」に踏み込みました。

l  しかし、これにより、仮に「労働者不足」が緩和されたとしても、今度は、「労働者劣化」という新たな問題が浮上してきます。時代に合わなくなった年功序列という人事制度が効果的な企業運営を困難化させていく中で、日本企業は人事改革という「辛い試練」の断行を迫られています。そういう中で、「経済メカニズム」を無視した経済政策が実施されたならば混乱は必至。2019年は、2018年よりも厳しい年になると覚悟しておかねばなりません。
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【Timely Report】Vol.320(2019.1.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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