外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

カテゴリ: 企業経営

l  横浜市の行政書士事務所が、雇用した30代のフィリピン人女性のパスポート(旅券)を預かる契約を結び、その返還を拒んでいます。女性は「パスポートがなく、母国に帰ることも転職活動もできない」と訴えています。外国人の旅券預かりは、技能実習生に対しては法律で禁じられているものの、実習生以外については、厚生労働省が「旅券を保管しないようにする」と指針を出しているだけで、罰則などの強制力はありません。別の外国人もパスポート返還などを求めたようですが、事務所側は団体交渉に応じず、神奈川県労働委員会は9月に、団交の拒否を不当労働行為と認定しました。

l  これまで、パスポートや在留カードの預かりは、技能実習の実習先や日本語学校において頻繁に見られた行為でしたが、在留資格の申請を本業とする行政書士事務所が「パスポートを事務所が預かり、使用の際は書面による申請や許可が必要」「管理方法や保管期限は事務所が決定」とする契約を社員と締結するというのは尋常ではありません。退職した女性の退職を認めず、パスポートの返還にも応じないというのは、異常と言わざるを得ないでしょう。

【Timely Report】Vol.580(2020.1.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:在留カードは預かってよい?」も参考になります。

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l  「働き方改革」という愚かな経済政策のために、無駄と無理が蓄積されています。「働き方改革で労働環境が良い方向に変化すると思うか」という問いには約6割がネガティブ(「どちらかというと思わない」41.4%:「全く思わない」20.5%)。IT部門の調査では、生産性が「向上している」(13%)という回答よりも「低下している」(18%)が上回るというお粗末さ。

l  「働き方改革」は、「働く時間を短縮すれば労働生産性が向上する」というナンセンスな仮説の下に、「働く時間を短縮せよ、さもなくば罰金をとる」という号令に過ぎず、そんなことで生産性が向上するはずがありません。

l  実際現場では、「働き方改革」が進む中、約6割の先で中間管理職への皺寄せが発生しており、「働き方改革のための残業」という皮肉な現象が生じています。大企業が残業を減らすために、下請けの中小企業に納期短縮を要求するので、中小企業が残業せざるを得ないことも。先見性のあるタニタは、社員の「個人事業主化」を打ち出し、このナンセンスから逃れようとしています。政府の戯言は無視して、独自の解決策を模索すべきです。

【Timely Report】Vol.571(2020.1.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:誤った経済政策が韓国を殺す?」も参考になります。

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l  710日、東京福祉大学が、「学部研究生」について、来年度の募集を停止すると発表しました。東京福祉大系列の専門学校である「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」においては、定員の7倍を超える留学生を受け入れていたことが明らかとなり、「留学ビザ」の更新が極めて困難になっています。

l  留学生たちが働いていたアルバイト先でも波紋が広がっています。突然帰国に追い込まれる留学生が増えているため、彼らを頼りにしていた飲食店やコンビニに影響が出始めているのです。かといって、日本人のアルバイトは、なかなか来てくれませんし、来たと思ったら、すぐに辞めてしまいます。

l  「偽装留学生対策」に着手した入管は、「留学ビザ」の付与を厳格化しており、ミャンマーやバングラデシュなどには許可がなかなか下りなくなっています。東京都内でもアルバイトの求人に困るケースが出てきました。大手の一部では、日本留学が決まった学生を対象にした研修所をベトナムや韓国等に設け、来日前の囲い込みに着手していますが、中小企業には到底無理な話。人手の確保が「経営の生命線」になる時代がやってきました。

【Timely Report】Vol.496(2019.9.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「日本の近未来は介護業界に聞け!」も参考になります。

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l  中小企業の7割以上が「人手不足を感じている」と回答。そのうち5割以上は、人手不足の度合いが「深刻」「かなり深刻」と答えています。その中で、2019年上半期の「人手不足」関連倒産は191件となり、過去最高を記録しました。人手確保が困難で経営難に陥った「求人難」型は47件で前年比2.4倍。また、「従業員退職」型も20件で前年比2倍になりました。2019年を通しても過去最多を塗り替える可能性があります。

l  マイナビによれば、企業が新卒採用で投じるコストは一人当たり50万円。中小企業は、こんな高額な採用活動費を払えないので、大企業の雇用者数が増加する半面、中小企業の従業員はどんどん減少しています。ここ20年で従業員数500人以上の規模の企業では従業員数が約382万人増加している一方、29人以下の規模の企業は従業員数が約215万人減少しているのです。

l  建設業界では、業績良好でも身売りする事例があるほか、「年中休業日なし」が常識だった旅館でも「休業日」を設けたり、24時間営業が売りのコンビニも時短を検討し始めました。人手不足が致命傷になる時代が到来しました。

【Timely Report】Vol.501(2019.10.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「アベノミクスは増税で絶命する!」も参考になります。


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l  終身雇用・年功賃金制・新卒一括採用等に代表される「日本型雇用」が崩壊しつつあります。早期退職が常態化し、年功賃金の維持が難しくなり、通年採用が広がる中、「副業禁止」という常識が過去のものとなり、昔は忌み嫌われた「転職」という行為が当たり前になりました。

l  あるアンケート調査では、定年まで働くことを想定していない人が68.6%。「終身雇用制度」を不要とする人が54.3%。「年功賃金制」を支持しない人が71.9%ですから、現在の「日本型雇用」が時代にそぐわないことは否定できません。しかし、ほとんどの企業は、「日本型雇用」が崩壊しつつあることを認識しつつも、その事実を認めたくないか、認めたとしても傍観するか、改革を志すもその激痛に耐えかねて動けないか、のいずれかだと思われます。

l  この「日本型雇用」の崩壊は、「新しい雇用秩序」に移行するまで、極めて激しい痛みと苦しみをもたらします。多く日本企業は、それに向き合うことができずに、問題の先送りを図るでしょう。この問題先送りがもたらす日本企業の成長鈍化や日本経済の失速は、消費税増税以上の破壊力があります。

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