外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

2021年04月

l  「介護」にまで技能実習制度を拡張することについては、「対人サービス」として初めての受入れとなるだけでなく、在留中に国家資格に合格した場合に「介護」の在留資格で在留し続ける措置についても検討されているなど、実質的な「移民」の大々的な受入れが始まるとして批判する声があります。

l  しかし、団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、介護職が253万人(2016年9月末149万人)必要になると予測されている中で、介護福祉士の資格が取得できる専門学校や大学の入学者数を見ると、2017年度は定員の45.7%(定数15,891人に対して入学者数は7,258人)と過去最低。日本人だけで介護サービスを維持することは不可能です。

l  要するに、①外国人を受け入れて介護サービスを維持するか、②外国人を排斥して介護サービスを断念するか、という重大な選択肢を迫られているわけなのですが、これは何も「介護」だけの話に止まりません。いずれ、すべての業態において、①外国人を受け入れてサービスを維持するか、②外国人を排斥してサービスを断念するかという決断を迫られることになるでしょう。
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【Timely Report】Vol.81(2018.1.17)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
観光頼みには限界あり!」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2017年5月1日時点において、国内の大学や日本語学校に在籍する外国人留学生は26万7042人となり、前年よりも11.6%増加し、過去最多を記録しました。今年も同程度の増加を示すことになると仮定すれば、今年5月に、外国人留学生の数は29万8019人になります。こうなると「留学生30万人計画」まで、あとたった1981人ですから、おそらく目標の2020年を1年前倒しして、2019年には「30万人」の大台を達成するものと思われます。

l  中国が約10万7千人(8.9%増)で最多ですが、ベトナムは14.6%増の6万1千人と大きく伸びました。その影響もあり、ベトナム人留学生の犯罪や不法残留が増えています。入管行政は、「留学生30万人計画」が達成確実であることを眺め、「留学生受け入れの促進」から「偽装留学生の摘発」へと舵を切りました。週28時間を超えて就労している留学生に対してだけでなく、学校に通っていない留学生や学校から除籍された留学生に対しては、これまでになく厳しい態度で臨んでいます。今後、違法の留学生アルバイトに関する「摘発リスク」がどんどん高まっていくことに留意すべきです。
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【Timely Report】Vol.340(2019.2.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  日本語学校の経営にとんでもない逆風が吹き始めました。昨年末に公表された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」によれば、在校生の日本語能力試験の結果を公表するように義務付けられるほか、その合格率によっては「留学ビザ」の対象校から外されるだけでなく、在校生が検挙された場合には、当局のブラックリストに掲載されて、各種のビザ審査に活用されることになります。実際、昨年から一部の国からの留学生に関しては、既にビザの許可率が著しく下落しています。さらに、お客さまである海外の出稼ぎ希望者が、週28時間という上限があり、年間70万円前後の学費がかかる「留学」よりも、就労時間の上限がなく、学費も要らない「特定技能」という別ルートを選ぶのではないかという懸念が浮上しています。

l  このため、日本語学校の設立や専門学校の増設を延期したり、断念したりするケースが出てきました。日本語学校が445校(2010年)から711校(20188月)へと急増したことに象徴されるように、絶好調の右肩上がりを続けてきた留学生ビジネスですが、今年は大きな転機を迎えるかもしれません。

【Timely Report】Vol.406(2019.5.16)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
ゴーン逮捕は外国人排斥か?」も参考になります。

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l  珍しくないことではありますが、「帰国困難」に関する個々の入国審査官の裁量にバラツキが出ています。「本国への帰国が困難である場合」や「帰国できない事情が継続している場合」には、「特定活動(週28時間以内の就労可・6ヶ月)」という在留資格が認められているのですが、「帰国困難である」や「帰国できない事情」に関する解釈が区々なのです。

l  このため、同じ母国であるにもかかわらず、ある外国人は「帰国できない事情が継続しているとは認められない」として当該在留資格が認められなかったのに、他の外国人では「本国への帰国が困難である」として即座に認められたりしています。もはやロシアン・ルーレット状態と言ってよいでしょう。

l  あまり期待できないとは思いますが、もし入管が混乱を避けたいと思っているのであれば、航空便の運航状況や帰国人数などで、ある程度明確な基準を示し、2~3ヶ月程度の猶予期間を設けた上で、「特定活動(週28時間以内の就労可・6ヶ月)」の廃止を秩序立てて進めていくべきです。いきなり2週間~1ヶ月の「帰国準備ビザ」になる人が急増すれば、大混乱は必至です。


【Timely Report】Vol.8062021.4.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  1996年に『進め! 電波少年』という番組で、若者2人が香港からロンドンまでヒッチハイクで移動するという企画が大人気を博しました。手持ちの現金10万円はあっという間にそこを尽き、タイより西へ移動するために、現地でアルバイトをして稼ぎながら、苦難の旅路を行く様が共感を呼んだのです。

l  昨年末、『進め! 電波少年』をパクった企画『ハードワーキングホリデー:ダメな若者4人をタイへ!飛行機代を稼ぐまで帰国不可』が放映されると物議を呼びました。というのは、現地でのアルバイトは明らかな不法就労であり、企画しているTV局は不法就労助長罪で逮捕されかねないからです。日本と同様、他国においても、外国人が現地で就労する場合には、就労ビザの取得が必要であり、海外でお金が尽きたら現地でアルバイトをして稼げばいいという発想は、要するに、不法就労を容認することでしかありえません。

l  法令遵守が喧伝されるこのご時世に、敢えてチャレンジする度胸は見上げたものですが、「日本における外国人の不法就労」はダメだが、「海外における日本人の不法就労」はOKというわけにはいかないでしょう。

【Timely Report】Vol.630(2020.4.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管法違反:入管法を知らないと危険です?」も参考になります。
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