外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

2020年01月

l  2019年12月24日、東日本入国管理センターは、収容者への投薬や物品貸出に関し嘘の記録を書いたとして、男性職員4人を停職1カ月の懲戒処分にしました。一定時間以上の間隔を空けて服用する胃薬を間隔を空けずに投薬した事実を隠すために嘘の時間を記入したり、毛抜きを収容者に貸し出した際、回収せずに「回収済」と記載したり、回収していない事実を隠蔽するために「貸出中」と偽装したようです。職員4人は検察に告発されましたが、不起訴処分になりました。名古屋入管でも、類似の事件が発覚しています。

l  大した「虚偽」ではないので、目くじらを立てるほどのことではないのですが、正直に書いた場合「後日、行政文書の公開請求で人権派に指摘されると面倒くさい」と思ったのでしょう。逆に言えば、それくらい入管職員にとって、収容が負担になっていることを示しているのだと思います。

l  オーバーワークやオーバースティだけで外国人を長期収容し続けることは、収容自体のコストや今回の件で表面化したリスクに見合いません。軽微な入管法違反の収容者については仮放免することを前向きに考えるべきです。

【Timely Report】Vol.618(2020.3.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管行政:元入国審査官が証言する?」も参考になります。
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l  福岡市が留学生を受け入れる経済効果は年間230億円だそうです。屋台の効果は53億円で、福岡マラソンは25億円と言いますから、福岡マラソン10回分のプラス効果。外国人問題を語る際には「労働力」の観点が強調されがちですが、「消費者」や「納税者」の側面を無視することはできません。

l  西欧15カ国の30年間の統計を分析した結果でも、「移民」は移住から5年以内に受け入れ国の経済にプラスに働くという結論が得られています。当初は、「移民」支援で公共支出が増加しますが、「移民」の納める税が増加するのでバランスする方向に向かいます。長期的には、1人当たりGDPの改善や失業率低下などの好ましい変化につながるというのです。

l  逆の結果を示す研究がないとは言いませんが、米国では、1500名の経済学者が大統領宛ての書簡で「移民は米経済に大きな恩恵をもたらす」と主張しており、国民の58%が「多様な人種、民族、国籍の人々がいるほうがより住みよい国になる」と答えています。外国人については、「労働力」という観点だけでなく、「消費者」や「納税者」としても捉えるべきと思います。
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【Timely Report】Vol.225(2018.8.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  外国人社員が増えていく中で、外国人を部下に持つ日本人上司の2割以上は「今すぐにでも辞めたい」と吐露するほどのストレスを抱えています。「ノウハウがなく手探り状態である」「通常業務が忙しく、外国人材のマネジメントに手が回らない」「外国人材をうまくマネジメントできていない」などと途方に暮れており、悩みを聞けば、「自己主張が強い」「日本の常識が通じない」「昇給の要求が強い」「組織への忠誠心が低い」「仕事を教えるのに時間がかかる」「指示したことをやってくれない」「評価に対する不満が強い」「コミュニケーションが困難」という不満が山積。

l  専門家の方々は、「特定の仕事のみを行うことに慣れている外国人には日本の先輩後輩的な関係に基づくシステムが理解されにくい」「外国人にとってより働きやすい環境を作る」「キャリアプランを示して公平に接する」などと上っ面の助言はしますが、とても実務には活用できません。一方、伝統的な日本型雇用も崩壊寸前の瀬戸際にあります。残念ながら、個々の会社が、苦しみ抜きながら、根本から人事制度を再構築するしかないようです。

【Timely Report】Vol.617(2020.3.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入国・在留審査要領:日の丸交通はビザに苦しむ?」も参考になります。
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l  「観光業の振興」は、「アベノミクス」における数少ない成功例です。高めの数値目標を掲げて、観光ビザを緩和し、クルーズ船を誘致して、地方の観光資源に光を当てるとともに、ホテルの建設ラッシュで関連業界を潤しました。歴代の産業政策の中でも出色の出来栄えですし、この成功がなかったら、安倍政権は窮地に追い込まれていたかもしれません。

l  ただし、本当の試練はこれから。弊害が目立つ京都を筆頭に、「観光公害」や「オーバーツーリズム」という指摘が、全国各地で沸き起こっていますが、これらに対する観光庁の対策は、観光客のマナー対策やポスターによる広報、先進事例の紹介等に限定されており、効果など見込めないお粗末な代物。

l  他の産業であれば、関係者は、商品やサービスを購入する人に限られますが、観光業は異なります。目に見えて恩恵に与る人と比べれば、目に見える被害を受ける人は大多数に及びます。したがって、恩恵に与る人たちが、先手を打って、被害を受ける人たちに配慮した建設的な対策を示していかなければ、海外よりも先鋭的な形で、排外的な運動が巻き起こる危険性があります。

【Timely Report】Vol.487(2019.9.10号)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  12月16日、ベトナム人留学生7人が「職業紹介のための手数料」を違法に支払わされたとして、有料職業紹介事業所である「日米国際投資振興機構」に対し、500万円を超える損害賠償などを求めて提訴しました。職業安定法は、有料職業紹介事業所が求職者から手数料を徴取することを禁じています。

l  日米国際投資振興機構は、留学生をターゲットに、「就労できるビザを申請してくれる会社を保証します」と伝え、「就職訓練コース」の契約を締結。入会金としてそれぞれ10万円~20万円を支払わせました。ところが、面接練習などの就職訓練は全く行わず、労働内容や労働条件も知らせないまま、いきなり様々な企業との面接をセッティング。内定が出た場合には、「内定成功コース費用」として、10万円を追加で請求していました。在留資格が許可されなかった場合も、返金には一切応じなかったといいます。

l  留学生向けの就活塾は増えていますが、講座を実際に開講し、冊子やDVD等の教材を取り揃え、マンツーマンで指導した上で、求人案件を紹介する良心的な業者は一握り。ブローカーやビザ屋が跋扈しているのが実態です。

【Timely Report】Vol.615(2020.3.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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