外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

2019年06月

l  日本企業の給与が、欧米どころか、アジアより見劣りするようになりました。日本企業の場合、大卒の初任給は20万円台でボーナスを合わせて年収300万円前後が相場ですが、シンガポール企業であれば、初任給で年収600万円がオファーされることもあります。中国企業ファーウェイが、日本の新卒エンジニアに初任給40万円を提示したことも話題になりました。

l  日本の給与水準は、OECD 35カ国中18位。上位のルクセンブルクやスイスはもとより、米国、ドイツ、フランスに劣後。米国・ドイツ・中国(上海)・日本の4カ国で比較すると、上位の課長クラスでは最下位。部長クラスだと大きく引き離され、米国企業とは1000万円以上の差。2016年時点では、日本企業が上海企業を400万円ほど上回っていましたが、2018年に逆転されました。そもそもこの20年間で賃金が低迷し続けているのは日本だけです。

l  最低賃金のことばかり議論されていますが、若者に夢を与える初任給を提示できない最大の要因は、後払いを前提とした年功型賃金。これが、コスパの悪いオジサンたちを大量生産し、初任給の大幅な引き上げを拒んでいます。

【Timely Report】Vol.439(2019.7.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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留学ビザは締め上げられる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  人口が右肩上がりの時代に築き上げられたビジネスモデルは、これから訪れる本格的な人口減で、崩壊していきます。この大変化に対応できない企業も破綻していきます。注目すべきは不動産業界。居住者が確実に減っていく中でも、新築物件を建てて販売しなければ儲からないビジネスモデルに深く組み込まれてしまっているので、従来のやり方を止めることができません。

l  不動産業界は、日本人人口が減少し、全国的に空き家が激増する中で、個人投資家を煽った仮需でごまかし、手に余ればREITのゴミ箱に捨てるという仕組みで凌いできましたが、永遠に騙し続けることは不可能です。しかも、タワーマンションの老朽化や、2022年から生産緑地から転用される宅地が激増するという時限爆弾も抱えています。それなのに、現状から目を背け、明るい未来を信じて、ひたすら新築物件を造り続けています。

l  しかし、情け容赦のない市場の重力は、遅かれ早かれ、働き始めるでしょう。在庫を抱えたデベロッパーや失敗した個人投資家が自己破産するケースも増えてきました。壊滅的なバブル崩壊にならないことを祈るばかりです。

l  安倍政権は、最低賃金に関して、「より早期に全国加重平均が1000円」という方針を明示し、立憲民主党は「5年以内に全国一律で1300円」という公約を掲げました。本来なら、個々の企業に賃金を自由に設定させた上で、労働者における転職の自由を阻害するような悪質な経営者を厳罰に処すればよいだけの話なのですが、最低賃金を引き上げて、経営者や雇用者を締め付けていくという愚かな経済政策が実施されることが既定路線となりました。

l  最低賃金引き上げという政策の背景には、「最低賃金を引き上げれば、生産性が上がる」という思い込みがあり、「最低賃金が支払えない生産性が低い企業は淘汰されるべき」という割り切りがあります。

l  じつは立憲民主党は、パートに時給900円しか払っていません(立憲民主党新潟県参議院選挙区第1総支部・新潟県上越市・議員秘書業務全般:ハローワーク上越・受理日514日・有効期限731日)。もし、上記の政策を実施するつもりなら、「時給1300円が支払えない生産性が低い政党は潰れてよい」という結論になるはずなのですが、それでもよいのでしょうか。

l  移民に関する議論を聞いていると、①日本はアジアにおいて最も「魅力的な国」である、②ドアを開ければ優秀な外国人が大勢来日する、③来日した外国人は日本での永住を望む、という「暗黙の前提」を感じるときがあります。日本が「出稼ぎ先」として、ある程度魅力的なことは否定しませんが、中国や韓国や台湾と比べて圧倒的に優位かと言えば疑問です。また、「出稼ぎ先」ではなく、「永住先」として日本を選ぶ外国人は、まだまだ少数派でしょう。

l  現場では、「本当の高度人材は外国から日本には集まらない。球速160キロのストレートを持つ投手は日本プロ野球には来ない」「世界のハイポテンシャルパーソンが日本に来ない理由は、日本企業や日本社会に魅力がないから」という指摘があります。米国やカナダやオーストラリアが、世界中から移民を惹きつけるのは、経済的な豊かさに加え、社会が外国人に対して寛容であり、労働市場がオープンだからです。日本は、社会の豊かさ、寛容さ、オープン度合いという点で、これらの国に劣後しています。だから、移民問題などこれまで発生しなかったのです。その現実を直視すべきです。

【Timely Report】Vol.471(2019.8.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  定員超過の留学生を入学させていた東京福祉大系列の「保育・介護・ビジネス名古屋専門学校」で、在留が認められず30日以内に帰国するよう告げられる留学生が増えています。入管庁による在留期間更新の審査が厳格化しているためで、中には、出席率70%でダメと言われたケースもあるようです。

l  本件で、一番悪いのは専門学校であり、次に悪いのは、監督せずに放任していた県や入管。アルバイトに精を出していた留学生に罪はないとは言いませんが、悪者としてはせいぜい三番手です。ところが、二番手の県や入管は全く罰せられることなく、一番手の専門学校を罰するために、三番手の留学生に対して厳罰を断行。定員超過の情報が公開されていない以上、彼らは詐欺に遭った被害者の立場のはず。これは、あまりにも理不尽です。

l  「特定技能」の場合、雇用していた外国人を解雇するときに、転職支援が義務付けられました。一般企業にそこまでの義務を課すのであれば、「留学」の場合、通学していた学校に問題が生じたときには、その学校が責任を持って、留学生の転校支援を行うように義務付けるべきではないでしょうか。


【Timely Report】Vol.468(2019.8.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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