外国人経済研究所

外国人と経済の関係を解き明かしていきます。

2018年11月

l  外国人労働者の受入増に反対する論者たちは、自ら闘いのリングに上がることなく、お気楽な解説を垂れ流します。一部の大学教授たちは、「人口減少は生産性を向上させる」「国際競争力のない産業は淘汰させて、輸入で代替すればよい」などと主張。その主張が正しいとすれば、日本の大学は、国際競争力がない業界の代表格ですから、まずは大学を淘汰すべきでしょう。

l  テレワークで対処すべきと語る論説委員は、自ら指揮を執って革新的な新聞社になり、お手本を見せるべきです。新聞は「情報業」ですから、デジタル化に最適。ついでに、「夜討ち朝駆け」で知られる超過勤務は厳禁にすべきでしょう。多くの民間企業を「ブラック」として叩いてきたのですから。

l  人口減少と高齢化の最たる例示は、過疎の村々です。人口減少が善であり、人口増以外の対策で現状を改善できるのであれば、「過疎の村では人口減で生産性が上がっている」とか「過疎の村でも1人当たりのGDPは減らない」という具体的な事例を挙げるべき。そうでなければ、現場で日々「淘汰」と戦っている経営者たちを納得させることはできません。
ビルエル Kollmeier, 教授, 黒板, 物理学, 講師, 大学, 先生
【Timely Report】Vol.230(2018.8.22)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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過疎の村は生産性が上がる?」も参考になります。

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  帝国データバンクによれば、20187月において、「正社員が不足している」と答えた企業が50.9%となり、7月として初めて過半数を超えました。人手不足で絶好調だった人材派遣業界も、派遣社員における実稼働者総数の伸びが明らかな鈍化傾向を示しており、スタッフの確保に苦慮しています。郵便局が郵便配達を平日だけにとどめることを検討する中、福山通運は、日曜日の企業向け配達の停止を決定しました。介護施設の新設が4割も中止されたり、鋼材加工能力の不足が鋼材需要に水を差したりするなど、「人手不足」がいよいよ供給サイドのボトルネックになってきています。

l  そんな中、振り込め詐欺の業界にも「人手不足」の波が押し寄せています。逮捕されるリスクが高い「受け子(=現金の受け取り役)」の調達難に直面した黒幕たちは、片言の日本語しか話せない外国人や留学生までスカウトし始めました。この結果、外国人の検挙者は前年比2倍の勢いで増えており、8月下旬にもモンゴル人留学生が逮捕されています。留学生たちが高い時給のアルバイトと勘違いして巻き込まれないことを祈るのみです。
ハック, 詐欺, カード, コード, コンピュータ, クレジット, 犯罪
【Timely Report】Vol.260(2018.10.3)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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自衛隊も人手不足に苦悩する!」も参考になります。

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l  経営の現場を知らない経済学者の中には、「人手不足なのに賃金が上がらないのはなぜだ?」と悩んでいる人々が少なくありません。そのため、「ただでさえ賃金が上がっていないのに、こんな状況下で外国人労働者を入れると、賃金が上がらなくなってしまう」と騒ぎ始めた輩もいます。

l  しかし、就業者1人当たりのGDPを眺めると、2000年度820万円➡2005年度824万円➡2010年度794万円➡2016年度830万円➡2017年度820万円ですから、労働生産性が上がっていないという事実を簡単に確認できます。リーマンショック後の回復期で見ても、年率換算するとたかだか年+0.4%程度の向上。2000年からの17年間で見ると、生産性向上はほぼゼロです。

l  労働生産性が大幅に向上すれば、賃金も上がるでしょうが、生産性が上がらない社員から「給料を上げろ」と言われて、素直に昇給させる社長はいません。生産性が上がらなければ、売上高や生産を増やすためには増員が必要なので人手不足につながります。怠けている「社内失業者」が3割いるという見方もありますが、まずは、労働生産性を上げないとお話にならないのです。
日本, 東京, 渋谷, 建物, 群衆, 人, ショッピング, 道路
【Timely Report】Vol.292(2018.11.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  在留資格「特定技能」を新設すると、外国人労働者が大勢訪れるという想定で議論されがちですが、本当にそうでしょうか。既に数多くの日本企業では、技能実習生の労働に頼る構図ができあがっていますが、「技能実習」の評判が素晴らしいかと言うと決してそうではありません。日本で働いていた中国人の技能実習生たちは自国の経済発展とともに急減していきました。

l  それに代わって増えたのが、ベトナム人です。2012年におけるベトナム人の出稼ぎ先を見ると、日本は台湾・マレーシア・韓国に次ぐ第4位に過ぎませんでしたが、2016年には台湾(68,244人)に次ぐ第2位(39,938人)にまで浮上しました。しかし、台湾とはまだまだ差があり、統計には表れてこない中国への違法な出稼ぎも決して少なくありません。

l  年間4000人を呼び込む予定だった日系4世ビザは、現状2人に過ぎません。過去の技能実習生を呼び戻すために20154月に開始した「外国人建設就労者受入事業」も、3年半かけて、ようやく4000人台に乗っただけです。上から目線で外国人材を呼ぼうと思っても決してうまくはいかないのです。
クローズ アップ, 目, まつげ, 参照してください, 女性
【Timely Report】Vol.283(2018.11.6)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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観光頼みには限界あり!」も参考になります。

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l  テレビを点けると、「日本はスゴイ」「日本はカッコイイ」「日本が好き」という番組のオンパレード。「勘違いが少なくない」「いつまでも過去の栄光にしがみついている」「ノスタルジーが過ぎる」という代物が少なくないのですが、きっと多くの視聴者は癒されたいと思っているのでしょう。その一方、経済政策はと言えば、「労働時間を少なくすれば、労働生産性が上がる」とか「人口が減れば生産性が向上する」「人手不足になればイノベーションが起こる」など、これまた筋違いのオンパレード。他人を雇って給料を支払ったことがなく、経営の現場を知らない素人たちが勝手なことを言っています。

l  「日本はスゴイ」という勘違いと「時間短縮・人口減少は善」という筋違いが結びつくと、日本経済は確実に衰退します。19601970年代に「英国病」と揶揄された大英帝国とそこはかとなく似ているかも・・・。日本も同じ道を辿っているのかもしれません。しかし、そういう向かい風の経済環境であっても、経営者は会社を守り、雇用主は人材を戦力化して組織を運営していかねばなりません。大変な時代になったものです。
富士山, 火山, シルエット, クラウド, 風景, 日本
【Timely Report】Vol.232(2018.8.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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