l  留学生の大量失踪事件は、じつは東京福祉大学が初めてではありません。2001年には酒田短大で留学生の不法就労が事件化し、七尾短大でも問題が露見しました。2002年には萩国際大で風俗店での不法就労が発覚。2004年に城西国際大に関して「幽霊学生」の疑惑が報じられ、2011年には青森大で大量除籍が問題視されるなど、過去から類似の問題は指摘されてきました。

l  ただし、過去の類似事件においては、あくまでも個別の大学の問題として処理されたため、「留学生30万人計画」の是非について、大きな疑問を呈した騒ぎにはなりませんでした。今回の東京福祉大学は異なります。

l  文科省は東京福祉大に対し、新規の学部研究生への在留資格(留学)の付与を認めない方針を示しました。「留学生30万人計画」の方針の下で、文科省が大学に対して留学生受け入れの制限を求めるのは初めてです。文科省は、「30万人」という数値目標が達成されたこの時点で、「留学生の数の増大」から「留学生の質の吟味」という方針に舵を切ったと考えるべきでしょう。「留学生30万人計画」の終焉です。留学生ビジネスは大転機を迎えます。