l  最近、「人手不足は労働条件が酷い会社の泣き言だ」とか、「人手不足を解消したいなら賃金を上げればいい」という現実を無視した短絡的な議論が幅を利かせています。そういう論者たちは、佐賀県に行き、昭和自動車の社長に対して、自説を唱えていただきたいと思います。

l  昭和自動車は、佐賀県内で運行するバス26路線の再編を検討しています。バス運転手の3割以上が60歳を超えており、若手の免許保有者の補充も見込めません。50万円の入社祝い金や免許の取得支援などを講じて、年に4050人を雇っていますが、人数の出入りはトントン。今後の高齢者の引退には耐えられないと見て、現状の路線維持は難しいという経営判断です。

l  自治体が赤字分を補助金で補填する路線であっても、「今回の件は、人手の問題で、経営統合などではなかなか解消しにくい」と社長は語っています。佐賀県知事は、「賃金を上げれば解決する」と主張する識者たちに声掛けして、昭和自動車の代わりに路線バスを運営してもらうべきです。彼らの説によれば、賃上げすれば生産性が向上して問題は雲散霧消するはずですから。

【Timely Report】Vol.414(2019.5.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ